【山本豊津】画廊はアートの価格をどう決めているのか

2018/7/18
アート作品の最初の買い手となり、市場へ流通させる役目を持つ「画廊(ギャラリー)」。近年ではアート価格の高騰が指摘されているが、どのように扱うアート作品を決め、どのように値付けを行なっているのか。
現代アートを日本で初めて扱った画廊、東京画廊代表の山本豊津氏に、謎の多い「ギャラリストの仕事」について尋ねた。

アーティストを発掘し、価値を創る

──まず、ギャラリスト(美術商)がアート市場で担っている役割についてお聞かせください。
山本 絵画の市場には大きく分けて、プライマリー・マーケット(一次市場)とセカンダリー・マーケット(二次市場)があります。
プライマリー・マーケットはアーティストという人間と付き合う場で、セカンダリー・マーケットは、商品としてのアートに携わる場。
山本豊津(やまもと・ほづ)/東京画廊社長
1948年東京都生まれ。71年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。元大蔵大臣村山達雄秘書。2014年より4年連続でアート・バーゼルへ出展。アートフェア東京のコミッティー、全銀座会の催事委員を務め、多くのプロジェクトを手がける。現在、東京画廊社長。全国美術商連合会常務理事。著書に『アートは資本主義の行方を予言する』、『コレクションと資本主義』(水野和夫氏との共著)。
私の画廊は主に、プライマリー・マーケットを舞台にアーティストを育て、そのアーティストたちの作品が、マーケットに広く出回るようにしていくための活動を行っています。