【新】「農業のアップデート」が日本の食を進化させる

2018/7/18
農家の多くが高齢化し、離農が進み始めている今、農業を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。
特集「『農』が『食』を変えるとき」では、「農」と「食」が一体化しつつあるという状況を踏まえ、6次産業のリアルや食のブランド化を通じて農作物の価値が変化しつつある様子をリポートする。
第1回は基礎編として、「農」を取り巻く環境変化について、スライドとテキストで解説する。

零細農家を保護してきた日本農政

スケールメリットを考えれば、狭い農地で作物を育てる農家は生産性が低くなり、その薄利に耐えられなくなったときに市場から撤退する。
これは農業に限らず、あらゆる業界に通じる原理だ。
しかし、日本はいまだに零細農家が多く、それによって農業全体の生産性が下がっている。大規模農家が生産性を上げているアメリカやブラジルとは対照的だ。
では、なぜ日本では零細農家が多いのか。
その理由は、戦後から続く日本の農政にある。

市場感覚を奪ってきた補助金政策