【真相】カンヌ作品の作り方。映画製作の内幕を教えます

2018/7/17
日本映画「復活」の幕開けか──。
今年のカンヌ国際映画祭では、是枝裕和監督の「万引き家族」が、日本映画としては、21年ぶりに最高賞「パルムドール」を受賞。日本映画の再興を印象付けたのは記憶に新しい。
ところが実はもう一つ、今年のカンヌではある日本映画が注目を集めていたことは、あまり知られていない。最高賞パルムドールを争う「コンペティション部門」に、是枝作品と並んでもう一作品がノミネートされていたのだ。
タイトルは「寝ても覚めても」。東出昌大、唐田えりかが出演する恋愛映画で、今年が初めてのカンヌノミネートとなる濱口竜介監督が手がけた。
世界三大映画祭の中でも最高峰と言われるカンヌのメインとなるコンペディション部門には、世界中の名監督が名を連ねている。日本でも是枝監督こそ常連だが、若手監督が簡単にノミネートされるほど甘い世界ではない。
そこにカンヌ初出品、年齢にして39歳の濱口監督がノミネートされ、映画業界で大きな話題を呼んだ。
濱口監督は、東京大学を卒業し、一度テレビの制作会社で働いた後、東京藝術大学大学院の映像研究科に入った異色の経歴の持ち主。
芸大を卒業した頃には、映画関係者からは、「いずれは国際映画祭に出て行くだろう」と言われ、将来を期待されていた逸材だ。