ファイナンス思考は「若者のよりどころ」である
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目先のPLを最大化しようとする発想は、未来への投資を抑制し、今ある旧来型のシステムを守ろうとする行動に結びつきやすいと考えています。この点で、PL脳で割りを食うのは、未来を生きる若い人たちだと思う次第です。
なお、楠木先生が研究対象とする競争戦略のレイヤーは事業戦略とのことですが、「戦略」といったフレーズには曖昧な側面があり、人によって持っているイメージが全く異なるといったことが起こります。
全社の戦略について話していても、事業レイヤーの責任者は事業単位やサービス単位の発想から抜け出すことができず、同じ「戦略」を語っているはずなのに話が食い違うという状況です。私も目線の違いによるコミュニケーションのすれ違いに随分と苦労しました。
こうした戦略とはなんぞやという点については、琴坂さんの近著『経営戦略原論』にも取り上げられています。日本がPL脳になってしまった要因の多くは
銀行が原因だと考えています。
以前も書きましたが、
アカウンティングとファイナンスで一番違う部分は、
時間という概念をどう受け止めているかだと思っています。
私自身は以前、銀行と証券、そして今の今は投資事業をやっているわけですが、各業界でその発行体の見方のスタンスが全然違います。
銀行はほとんど過去しか見ません。
いわゆるアカウンティングの考え方です。
ほとんどが純資産ベースで、過去からの蓄積が全てです。
ここでは過去からの延長が今に繋がっています。
いわゆる過去からの決算書の内容を精査して、
融資ができるかどうか判断するものです。
未来については、
半年くらい若しくはせいぜい今期の計画くらいです。
銀行では決算書が正義です。
一方で証券は未来しか見ません。
これは現在は未来から降りて来るという考え方です。
未来を現在価値に割り引いているわけです。
過去がどうだったかなど、どうでも良い話で、
今後3年間の事業計画の利益の蓋然性を精査し、
上場できると思えば、主幹事を引き受けることになります。
証券は事業計画が正義です。
最後に、
投資事業、特にPEは過去のBS、PLをきれいにして、
未来の事業計画をTangibleに行っていくということになります。
どれが良いとか悪いとかではないですが、
上場を目指さない限り、証券会社がかかわることはなく、
必然的に銀行の融資スタンスに対して、
どう対応すればいいかということになり、
将来的なことよりも当面1年さえ乗り切れれば、
銀行は融資を継続してくれるということで、
極めて短視眼的な経営になりがちです。
まあ、しょうがないことですが。
結局、世間的には物事は、
圧倒的に過去を見つめることが多く、
そこに未来からの時間軸を意識することがないため、
ファイナンスを上手く理解出来ない人が
多いのかもしれませんね。
引用
加えて、先ほど「ファイナンスが未来への意思表明」とおっしゃったのは、その通りだと思います。本にも書いているんですが、本当に「意思」だし、もっと言えば職業倫理や志の問題ではないか、と。
日本でPL脳が浸透している要因のひとつとして、増収増益だったら誰からも怒られないという環境があると思うんです。確かにドイツだけ内部留保が減る、という謎発言。
仮にここでこの大学教授が内部留保のことをキャッシュを指して言っているならドイツの上場企業だけカネなくなっちゃったの??w
内部留保は、投資をすると減る??
A社がビジネスに投資したらそのカネは別のB社のキャッシュになるのでは?
世界でドイツの上場企業のみが、貿易黒字で海外投資過多ということ???
私の頭では理解できんが、メディアによく恥ずかしげもなくこういう考えを披瀝できるなとは感じた。
一橋大学って……
もしかすると別表5に書かれてる金額のことを内部留保とか言っているのか。