[東京 10日 ロイター] - 富士ゼロックスの玉井光一社長(富士フイルムホールディングス<4901.T>副社長)は10日、ロイターのインタビューに応じ、富士フイルムと米事務機器大手ゼロックス<XRX.N>の経営統合計画が暗礁に乗り上げていることについて、経営統合がベストな選択だと改めて主張した上で、ゼロックスを説得するのが「私のミッションだ」と強調した。

ゼロックスは5月13日、富士フイルムとの経営統合を撤回すると発表。6月25日には半世紀以上続いた合弁会社の契約を更新せず、アジア太平洋地域に直接進出する考えを示した。これについて玉井社長は「計画には無理がある」と指摘。コストや時間などを考えると「あまりにも対価に合わないので、そうはならないと私は確信を持っている」と述べ、提携は維持されるとの見方を示した。

両社の対立は泥沼化の様相を呈しており、訴訟にまで発展している。ただ、そうした状況とは裏腹に、合弁会社の運営はこれまでと変わらず、良好な関係が維持されているという。こうした状況から、玉井社長は「おそらく、ゼロックスも経営統合がベストと思っている」と述べ、「富士ゼロックスの経営トップとして、ゼロックスの経営陣に対し、経営統合がベストだということをきちんと伝えていく」と説得に自信を示した。

あくまで私見としながらも、「あまり遠くない」時期にまとまるとの見通しを示した。

富士ゼロックスが手掛ける複合機の市場はペーパレス化などの流れから減少傾向が続いていたが、2017年は増加に転じた。玉井社長は「成長路線に乗せたい」と述べ、「単なるコピーやファクスができるだけでなく、ソリューションサービスなどを付加して増やしていきたい」と拡大に意欲を見せた。

*内容を追加しました。

(志田義寧 山崎牧子)