【決定版】「自動運転」についてこれだけは知っておきたいこと

2018/7/8
2018年3月、米配車サービス大手ウーバー(Uber)が米アリゾナ州で自動運転の走行実験中に、歩行者と衝突して死亡させるという事故が発生しました。
そのわずか数日後、今度は米EVメーカー、テスラの「モデルX」において、ドライバーが自動運転モードを使用している最中に中央分離帯に衝突し、炎上して死亡する事故が発生しています。
2018年3月に起きた、Uberの自動運転車の死亡事故は、現在も原因を調査中だ(写真:AFP/アフロ)
これらの悲しい事故を受けてさまざまな議論が世界的に巻き起こり、意見が交錯しています。しかし、それらの意見を見ていると、どうやら自動運転に対する「誤解」が多いようです。
また、アメリカは規制が緩く、自動運転のクルマがどんどん市場に投入されている、といった論調も日本ではよく見かけますが、これもまた、大きな誤解です。
例えばアメリカの運転免許制度は、「連邦政府」ではなく、地方の「州政府」が管轄しています。なので、例えばカリフォルニア州とフロリダ州では、規制事情は全く異なってくるのです。
そのため、アメリカからの自動運転関連のニュースを、日本でそのまま鵜呑みにすると、普及のカギを握る「規制」の議論をする上で、さらなる誤解を招きかねません。
特集「ベンツ解体新書」の最終回では、こうした「自動運転の未来」を議論するために知っておきたい、「最新の知識」がテーマです。
筆者は今年5月、メルセデス・ベンツの自動運転技術トップにインタビューをする機会を得ました。そこでのディスカッションも踏まえて、自動運転にまつわる議論の“交通整理”をしながら、徹底解説していきたいと思います。

①自動運転の技術力はどこが高い?