(ブルームバーグ): シャープは22日、公募増資により最大約2162億円を調達し、過去に発行した優先株を買い戻すと発表した。みずほ銀行や三菱UFJ銀行などの金融機関や鴻海グループを引受先とした優先株を買い取り消却して普通株式の希薄化を回避するほか、事業拡大のための投資や研究開発にも充てる。

発表によると、国内外での7837万5000株の募集が軸で、調達資金は約1850億円を優先株の買い戻しに、300億円を同社が注力する高画質の8K関連技術や人工知能(AI)やIoT事業の拡大に向けた研究開発費に充てる。新株の発行価格は7月9日から11日までに決定。払込期日は同17日から19日までのいずれかの日となる。 シャープは、主力製品の液晶テレビや太陽電池事業で国際競争力が低下する中、2016年8月に台湾の鴻海精密工業の傘下に入り経営再建に着手。鴻海との関係強化や組織・事業の効率化などを通じ前期(18年3月期)は4年ぶりに純損益が黒字に転じていた。今回の資本政策で財務を正常化させ、事業を拡大する方針を明確にする。 シャープ株式は業績悪化で東証2部市場に降格されたが、17年12月には1部への復帰を果たした。今回の増資などで現在シャープ株の65%を持つ鴻海グループの保有比率は低下するが、これまでに築いた取引関係は維持する方針だ。

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