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昔、ダン・アリエリの『予想どおりに不合理』という本を読んで行動経済学が面白いと思うようになりました。

「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」
「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」
「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」
「経済学は科学たりえるか?」というのはかつては真剣に議論された問題です。実験や観測の再現可能性が限られていることから、検証可能性が限られており、したがって数学をはじめとする自然科学のようにはハードで純粋な科学たりえないというのは当初からわかっていたはずのことです。経済学は様々な社会で起きた事例を数多く集めることはできますが、社会は自然科学の実験の場のように一様ではありえず、したがって経済において同じ実験や観測が再現された、ということはできません。そして、社会が地域や時代によって異なるように、人間もまた一様ではありません。経済学をはじめとして社会科学は、統計学を含め数学を導入することで、科学たろうとしてきました。つまり、人間と社会は数値化できる、という前提を十分に検証することなく導入しました。人間が一様に合理的に行動するという前提を導入し、マルクス主義に至っては、歴史上の経済の発展は一様であるという前提をア・プリオリにもっていました。ここに、経済学が引き起こした数々の誤謬の原因があります。
 この記事で指摘されている経済学の変化は、この誤りを含んだ前提を修正しようとするものです。人間と社会を数値化して数学でとらえる、という方針は維持しつつ、人間と社会が一様でないことを認め、心理学も導入してより大規模かつ多くの側面から人間を数値化しようとする試みです。ただし、心理学もまたそれほどハードで純粋な科学ではなく、人間の心理について、検証されていない前提を導入したりしてきました。この変化は、人間について従来とは桁違いのビッグデータを集めることで、人間をより正確に数値化できる、という発想にも支えられており、AIの発展と軌を一にしています。ビッグデータとAIで人間の行動が数値化され、数学で予測できるようになる、ということは、莫大な商業的価値を持つ、という考え方はすでにマーケティングで普及しています。同様にビッグデータとAIで人間たちが構成する経済がより正確に解明されうるのか、ということが問題になっています。
200名が満席になったイベントレポートを掲載します。「行動経済学」のセイラー教授がノーベル賞を受賞したように、現在、経済学はより現実を説明する方向に進んでいるといいます。入山先生の進行のもと、明快ながらレベルの高い議論が展開されます。
労働経済学と行動経済学の日本の若手のトップ研究者の登場ですね。
「人間は便益を最大化させるように行動する」という前提で組み立てられている経済学。
「利益最大化」のような数式で表される「便益」を目的関数にして組み立てると、理系的な表現では「ただし、摩擦、空気抵抗は無いものとする」みたいな、現実では役に立てにくいものとなってしまう。
経済合理的に行動する産業材の世界や、金融の世界では比較的親和性があるが、人間の日常生活では経済合理性以外の要素が少なくないのでそこを考えようぜ、というのが行動経済学だと理解してます。
ただ、タイトルにあるような「合理的でない」という言い方は正確ではないと思う。確かに経済合理的ではないが、例えば自己実現のために意思決定することはその人にとっては「合理的」であり、合理性が人によって、場面によっていろいろあるということ。その意味では記事にある「合理性の枠を広げる」という言い方がしっくりきます
必ずしも、どころか、自分の行動を振り返ってもほとんど合理的じゃない行動をしておいて、後々言い訳的な理由付けをしていることが多いんだと思います。理由を紐解くか、現状を分析するか、再現性を考える上では全く違うアプローチですよね。

それにしても世界で活躍する日本の経済学者が増えている、というのは非常にうれしく思います。
人間の非合理的な行動を明らかにしたという意味で行動経済学は素晴らしいと思う一方、非合理的だからこそ将来予測に役立てにくいというジレンマも抱えていると思います。
"あらゆる学術分野の最先端の方をお呼びして、最先端の「わかっていること、わかっていないこと」のキワをうかがい、ビジネスへの示唆を考えるものです。"
初回なのでこの「キワ」には迫っていませんが、早くも研究を続けるための厳しい生存競争を感じました。会社経営もそうですが、環境変化に耐え、成長し続けるだけで相当な価値です。
必ずしも合理的ではないから人だし、だからこそ人生楽しいんじゃないですかね。
行動経済学とはまたちょっと違うと思いますが、『みんなの意見は案外正しい』という本を読んだときに、理屈じゃないんだなと思ったことがあります。正論や合理の世界では進まないことがある。これを体感すると、ちょっとだけ自分の中の世界が変わりますね。
この連載について
政治、歴史、遺伝学からAIまで、各学術分野の研究は、ビジネスにも有用な知見を提供する。しかしその最先端では、むしろ「わかっていないこと」の方が多いはずだ。そこで本企画では経営学者・入山章栄氏が、各分野の最先端の研究者と対談。それぞれの学問はいま「どこまで何がわかっていて」「逆に何がわかっていなくて」「ここから何をやろうとしているのか」を議論し、「知のフロンティア」からビジネスパーソンが学ぶべきことをあぶり出していく。