セレブの死で浮き彫りに。アメリカが「自殺大国」へと堕ちた理由

2018/6/20

相次ぐ著名人の自殺

6月5日にファッションデザイナーのケイト・スペード、そして6月8日に有名シェフのアンソニー・ボーデインと、著名人の自殺が相次いでいる。
2人の死は、単なるポップカルチャーにおける悲劇ではない。アメリカ社会をじわじわとむしばむ公衆衛生上の深刻な危機を如実に表す現象だ。
慢性のうつや不安症は、自殺の前兆となることが多いが、こうした症状を治療する方法はこれまでにないほど普及し、利用しやすくなった。それでも米疾病対策センター(CDC)が7日に発表した報告書によれば、アメリカの自殺率は確実に増加の一途をたどっており、1999年以来、実に25%も増加した。
自殺率の上昇は年齢、人種を問わない。自殺はアメリカで10番目に多い死因となっており、2016年には4万5000人が自ら命を絶った。殺人による死者の2倍だ。