もう経験や勘に依存しない、ICTを活用して漁場を特定せよ
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この分野では京都大学の飯山先生がすでに素晴らしい取り組みをされていて、実際にAIがおすすめする漁場にいくと長年の経験をもった漁師さんよりも漁獲高はあがるとのこと。
京都大学・飯山先生
http://www.iiyama-lab.org/
パターン認識がご専門の先生なのにOceansという論文誌でご発表。
Fishing Spot Estimation by Sea Temperature Pattern Learning
Masaaki Iiyama, Kei Zhao, Atsushi Hashimoto, Hidekazu Kasahara, Michihiko Minoh
Oceans 2018
あとマスコミの皆様、このような場合は「九州大学の○○教授(もしくは准教授、講師、助教など)らが」と書いていただくのが正しいです。大学の総意として取り組みをしているわけではないので、大学からは大学名だけの報道は(事前チェックを受けた場合は)かならず指摘があります。いまの日本では非常に危険です。
きちんとした資源管理ができているのであれば良いのですが、出来てないので魚が減り、漁業者も苦しんでいるのです。
そこにICTで「効率的な」漁業を支援してしまったら… 既に枯渇しかけている水産資源を搾り取ることになってしまうことを強く懸念します。
ICTを使うことそのものは否定しませんが、まずは持続可能な水産資源管理をしてからです。是非とも推進して欲しい。
あとノルウェーやアイスランドなどを漁業先進国として、日本も真似をすべきだ、という意見を散見しますが、それは視野が狭いと思います。
まず、漁獲量の8割を占める魚種は
アイスランドが5種、ノルウェーが8種、日本が16種程度です。これは種の多様性が高緯度になるほど低下するためです。
この時点で効率化が難しくなる事が分かります。
後は、既得権益や漁師の減少、生産性を向上させようとしてる漁業関係者の少なさなど、皆さんも思うであろうハードルが存在します。
さて意識面の問題はさておき、漁のICT化には
何がどれだけ取れるか海に出ないとわからない
という大きな問題を解決する可能性があります。
イメージしてほしいんですが、漁業というのは農業と違って"狩り"なんです。ジビエと同じです。不確実性の塊です。それをテクノロジーで解決できるなんて素晴らしいじゃないですか。
そして漁の経験値の必要性が減るほど、新規漁業就業者も増えます。これも大きな可能性の1つです。
世界三大漁場を持ち、海岸線の長さ世界6位、排他的経済水域も世界6位、市場に流通する魚の数は約300種、そこにイカタコカニ海藻など含めると約500種、
これが日本の持っているポテンシャルです。この資源そして食文化を活かすためにもっと必死になりましょうよ。
以上、長文失礼いたしました。
あと資源管理については各漁業関係者、非常に努力してますよ。
問題は近隣諸国だと思います。