【独占】カルビー松本会長が語る「引き際・経営論・これから」

2018/4/3
ついにこの時がやってきた。
3月27日、9年間にわたりカルビーのトップとして成長を牽引し、日本を代表するプロ経営者として知られる松本晃会長が、退任を発表した。
ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を経て、2009年にカルビーの会長に就任した松本氏は、9年間でカルビーの売上高を1.7倍にし、営業利益率を6.5%から11.4%に改善させた。プロ経営者の実力が問われる中、確実に実績を残してきた“仕事人”だ。
だからこそ、松本会長の退任を知らせるニュースが伝えられるや、カルビーの株価は急落。一時は7%下げるなど、その影響力の大きさは株式市場に如実に現れた。
松本会長は、なぜ今のタイミングで退任を決断したのか。伊藤忠商事、ジョンソン・エンド・ジョンソン、カルビーを渡り歩いてきたカリスマ経営者は、およそ50年のビジネス生活を振り返り、何を想うのか。そして次なる野望とは。
NewsPicks編集部は、退任発表後初となる独占インタビューを実現。松本会長のラストメッセージを、ロングインタビューでお届けする。
松本晃(まつもと・あきら)/1947年、京都市生まれ。京都大学大学院卒業後、伊藤忠商事に入社。同社の子会社であるセンチュリーメディカルに取締役営業本部長として出向したのち、93年にジョンソン・エンド・ジョンソンに入社。日本法人の代表取締役社長、最高顧問をへて2009年にカルビーの代表取締役会長兼CEOに就任。

「電撃退任」の真相

──まだ退任発表から1週間も経っていない中、本日はお時間をいただきありがとうございます。
いやいや、忙しくないですよ。僕は今、社内失業状態で、暇にしてますから(笑)。
退任は、伊藤秀二社長と人事の担当役員に会見の2~3週間前、アドバイザリーボードのメンバーには1週間前に申し上げました。事前に言ったのはそれだけ。