AI時代のデザイナーの役割
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AIデザイナーについては、落合陽一さんも研究されてましたね。いつも着ているヨージヤマモトのデザインをAIに教え込んで、次に作るであろう服をグラフィックで出させる、と。その際に議論したのは服作りのバリューチェーンにおけるヒエラルキーがどう変わるのか?という話。面白かったのは「パターンを作ったり、縫製したりすることの方がAIには難しい。パタンナーや縫製職人の地位が上がる」という指摘。この辺りはマスマーケットで大きく変わってくると思います。
また、D2Cやカスタムオーダーについても興味深い内容がありますね。ZARAの高速2週間投入は全体の2割、と。ただ、その2割で全体の印象をコントロールしているというのもとても上手ですね。そこからの派生で「カスタムはスケールしない」という点、消費者は完成品が見たいという話もそうですが、であればネットでサンプル写真だけ見て買うのもないわけですし、販売面だけでなく生産面でカスタムオーダーはものづくりの難易度が上がっちゃうのがボトルネックと思われます。ZOZOのPBも万人に合った服を…としていますが恐らくカスタムオーダーというわけではなく受注生産でしょうし。
明日の最終話も楽しみです!!記事はAIがデザインするようになり、デザイナーは教師データを入力する人になる(もはやそれはデザイナーじゃなくて良い気もしますが。)という結論でしたが、今回はむしろそれまでの部分に興味深い数字がありました。
例えばここ。
「メチャカリの面白いところは、サブスクリプションでユーザーから定価の2割くらいの金額をレンタルでもらい、返ってきた商品を5割くらいの値段で中古販売するので、例えば、1万円の服であれば2千円と5千円を2人のお客さんからもらえるイメージです。」
会員数的にも黒字化目前ということなので、今後にも期待です。
男だとそれほど同じものを着るのに抵抗がない(僕も同じジャケット3着持ってます。コーディネート考えるのが面倒なので。)ということを考えると、服のシェアは女性がメインに発展していくのが前提なのでしょう。僕も自分で男性向けの服のコーディネートサービス試してみてそれは実感しました。初めてこの連載を読んだが、最高に面白い!石川さんはかなり本質を突いておられると感じた。ここまで理解が深い経営者は日本にはなかなかいないのではないだろうか?
全てのB2Cビジネスにおいて、これからは全て「体験」が消費者に提供する価値になる。その時に、どのような契約でどのようにお金を消費者からいただくか?というのは、消費者の志向性に合わせた方が良い。そして「体験」というのは、モノだけではなく空間や食事、あらゆる五感を通じたものによって形成されるわけで、様々な課金ポイントを体験の中に組み込ませながら(必ずしも消費者に課金する必要はなく、広告モデルも組み込ませることも可能)、事業モデル自体を再設計することが重要となる。
つまり、体験が顧客に提供する最終バリューとすると、そのバリューチェーンは大きく変化していくということだ。そして、その時に、AIに任せた方がよいものはAIに任せれば、いい。現在のAIでは不可能なことも、4〜5年で可能になることを前提に先行投資をしていく姿勢は重要だ。体験を提供する上で、デザインというのは極めて重要な要素だが、ファッションとそれに関わる体験領域におけるデザインは、「ファッション=流行」という英語でのFashionのそもそもの意味からわかるように、短期的に作り上げていくもので、その成功法則はパターン化できるもので、これはAIが得意とするものである。ただし、その法則性の中に、データとして蓄積されていない新しいアイデアやエッセンスが人によって新たに作られ、それをインプットする「教師」が必要となる。
まさに、個人的に私がもっとも興味があり、実現したい世界というものを、実業家として実践してらっしゃる姿を羨ましいと思いつつ、到底かなわないなと深く尊敬の念を感じながら、私は私の与えてもらった持ち場でもっと頑張ろうと思った次第である。