ジャパニーズ工場をひっそりと買収した、米EVスタートアップ

2018/2/18
米イリノイ州ノーマル。
かつて三菱自動車が北米からの生産撤退に伴い、2015年11月に生産を終了した自動車工場がここにある。その後、買い手が見つからず閉鎖に追い込まれ、まるごと宙ぶらりんになっていた工場だ。
ところが約1年後の2017年1月、ひっそりとこの工場の買収に名乗りを上げる企業があった。
リヴィアン・オートモーティブ。
「電気自動車(EV)の開発を手掛けるスタートアップ企業」という以外、情報はほとんどない。上場もしておらず、コンセプトカーが世界のモーターショーでお披露目されることもない。まさに謎に包まれた企業だ。
それもそのはず。地元住民すら、この「秘密工場」で何が行われているのかわからない。映画「チャーリーとチョコレート工場」に出てくる完全非公開のチョコレート製造工場にちなみ、周辺住民が「ウィリー・ウォンカ工場」と囁くほどだ。
しかし思い出して欲しいのは、今やあのガソリン車の王者トヨタ自動車をEVの世界に巻き込んだ、新興企業の米テスラが、2010年にトヨタと米ゼネラルモーターズの合弁工場「NUMMI」を取得していた過去だ。
トヨタが地ならしした工場をまるごと得たことが、今のテスラを大きな成功に導いた要因の1つに数えらえれるのは、疑うまでもない。
つまり、EVにこれから参入するスタートアップにとって、“日本製”の工場ほど“おいしい”ものはないはずなのだ。そして、そんなジャパニーズ工場を飲み込んだ、新たな企業があるというから、俄然、興味を持たずにはいられない。
NewsPicks編集部は今回、このリヴィアン創業者のインタビューに世界で初めて成功した。彼らはどんな未来を目指す企業なのか。たっぷりと聞いた。