【石川善樹】「Smart」なリーダー4タイプ。堀井雄二を目指せ
2018/2/17
「Smart」の語源
いまさらですが、この連載枠である「スマート・ライフ」の「Smart」って、もともとどんな意味か、皆さんはご存じですか?
……僕は知りませんでした(泣)。
それで早速、いつも使うオンライン語源辞典「Online Etymology Dictionary」でしらべてみると、「Smart」は「Sharp Pain」って出てくるんですよ。
つまり、「スマート・ライフ」とは、「鋭い痛みを伴う人生」ってことになります。なんか考えさせられますよね。
「痛み」によって大事なことに気づく
僕には若くして亡くなってしまった親友がいます。各務泰紀くんといって、同じ部活(ラクロス部)に入り、同じポジションを争ったライバルでもありました。
僕は大学を卒業した後にニートをやっていた時期があるんですけど、彼も同じようにニートをやっていて。
だから、お互いの傷をなめ合って(笑)、本当に心の支えのような存在だったんですが、その彼が数年前に、悪性リンパ腫という血液のガンで亡くなってしまいました。
建築を専門とする彼は「シェアノサイト」といって、当時は日本になじみのなかった、シェアできる物件を専門に扱う会社を起業し、日本のシェア文化を切り開いた男なんです。
そんな彼が、志半ばで倒れてしまい、最後まで病床で言っていたのが、「もっと仕事がしたい」ってことでした。
その時、本当に深く感じたんです。いつ人生が終わるか分からない。だから志を持って、後悔のないように日々を生きたいと。
その頃、もう一人一緒にいたのが、佐渡島庸平くん(編集者・コルク代表)で。彼と各務くんは、同じ高校の同級生だったんですけど、佐渡島くんも、彼の言葉は深く胸に刻んでいるはずです。
彼の病死は僕にとっての「鋭い痛み」だったわけですけど、こういう「痛み」がないと大事なことに気づけないのが、人間の弱さですよね。
勇者・ラスボス・王様・神父様
……それで志をもって生きていこうという話をもう少し続けたいのですが、以前この連載で、人生には3つの道があるとお話ししました。
1つは「主人公」の道。これは「リーダー」ですね。2つめは「助っ人」の道。そして3つめが「観客」の道というやつです。
やっぱりほとんどの人は「観客」ですよね。文句を言って終わり。批評して終わり。まあそれはそれでいいんです。それが「観客」の役割なので。
次に「助っ人」ですが、優秀な人は、だいたい「助っ人」になるんじゃないですかね。スキルを磨き続ける人生ともいえます。
そして「リーダー」です。当たり前の話ですが、「リーダー」として歩む人生は、大変ですよね。ただ、「リーダー」と言ってもタイプはいろいろあるわけでして。
ここでちょっと『ドラクエ』に例えて説明してもいいですか?(笑)
これは僕の勝手な分類ですけど、リーダーのタイプは、2つの軸の組み合わせで、4つに分類できると思うんです。
まず、自分が【革新を目指す人=Disruptしたい人】なのか、【改善を目指す人=Developしたい人】なのかで、同じリーダーと言っても全然違います。
ちなみに最近読んだ研究で面白かったのが、革新は小さなチームから生まれ、改善は大きなチームから生まれるという報告です。何を目指すかで、率いるチームの大きさが違うということですね。
もう一つの軸は、「具体的」なことが好きなのか、「抽象的」なことが好きなのか。
この2つの軸を使ってリーダーのタイプを4つに分類してみると、驚くべきことに、『ドラクエ』には、この4つのタイプのリーダーがバランスよく配置されているんですよ!