ディスプレイにスピーカー機能

スマートフォンのディスプレイなどの表面をスピーカーとして機能させる技術に取り組んできたイギリスのスタートアップを、アルファベット傘下のグーグルが買収していたことが明るみに出た。
現在は閉鎖されているリダックス(Redux)のウェブサイトによると、同社が開発した技術を使えば、スマートフォンなどに小型スピーカーを組み込む必要がなくなり、そのスペースにバッテリーやその他のコンポーネントを収めることができる。
このスタートアップの本拠は、イギリスのケンブリッジにある。アルファベットはアイルランドにあるグーグルの子会社を通じて、リダックスを買収した。
その時期は明らかにされていないが、イギリス規制当局への報告書によると、リダックスの持ち株会社であるNVFテック・リミテッドからグーグルへの株式の譲渡は12月13日付けで完了している。企業情報サイトのクランチベース(Crunchbase)は、この買収が2017年8月に行われたとしている。
グーグルの広報担当者は、買収金額やその他の詳細についてのコメントを差し控えた。

触覚的なフィードバックに利用も

リダックスは、アリー・キャピタル(Arie Capital)をはじめとする複数の投資家の支援を受けて、2017年3月に500万ドルを調達。コンピューティング、携帯電話、自動車、産業用制御機器といった市場への展開を目指していた。リンクトインのページによれば、同社は178件の特許を取得している。
アルファベットには、この技術が生かせそうな用途がいくつもある。
同社の中核部門であるグーグルは、2016年に独自のスマートフォンの販売を開始しており、新たに傘下に加わったリダックスの優秀な技術者は、グーグルによる高音質なハンドセットの開発に協力することになるかもしれない。
またリダックスの技術は、スクリーンなどの表面に触覚的なフィードバックの機能を持たせることにも利用できる。
グーグルは、1月中旬にラスベガスで開かれたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)などにおいて、アマゾンの「エコー」と競合する音声コマンド・スピーカー「グーグル・ホーム」のプロモーションに相当な力を入れていた。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Giles Turner記者、翻訳:水書健司/ガリレオ、写真:_ultraforma_/iStock)
©2018 Bloomberg News
This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.