24歳写真家が撮った、パレスチナの暮らし

2017/12/25
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
25日は、フォトグラファーの山畑 俊樹(やまはた・としき)さんが出演。
山畑さんは、現在も早稲田大学大学院に在学されているフォトグラファー。大学入学後、旅する中で訪れたパレスチナに惹かれ、ヨルダン川西岸地区と隣国のヨルダンに留学。本格的に写真を始められ、現在は中東地域の生活を主に撮影しており、数々の賞を受賞。山畑さんには「トランプ氏、米大使館エルサレム移転の意向表明 6日に演説へ」(AFP)を題材に、パレスチナの人々の暮らしについて、写真とともにお話いただきました。
POINT 1:
トランプ大統領、エルサレムを首都に認める
トランプ大統領が、在イスラエル米大使館を現在のテルアビブからエルサレムへ移転させる意向を表明した。
「今回の記事をピックした理由はなんでしょう?」(サッシャさん)
「イスラエル・パレスチナに関する、大きいニュースが報道されましたが、背景や実情を知らない人が多いのではないかと思っています。私はパレスチナに留学していたので、経験をふまえてお話できればと思いピックしました。
エルサレムは、イスラム教・ユダヤ教・キリスト教の3つの聖地があることで有名です。東側のエルサレムは、パレスチナ自治区に属しており、西側はイスラエルに属しています。今回、トランプ氏は、東側と西側を合わせ、エルサレムをイスラエルの首都として認めると発言しました」(山畑さん)
POINT 2:
写真で知るパレスチナのいま
「留学している間、パレスチナのヨルダン川西岸地区に滞在していましたが、とても素朴な街だと感じました。
朝、目が覚めると、アザーンというイスラム教徒への呼び掛けが聴こえ、教会の鐘が鳴ります。また、家の前に広がるオリーブ畑では、子どもがロバにのって羊を放牧しているなど、文化があり穏やかな街です」(山畑さん)
「今日は、山畑さんが撮影した写真をお持ち頂きました」(寺岡さん)
「これは、オリーブ畑の写真です。パレスチナ周辺はオリーブの原産地のため、あちこちにオリーブ畑が広がっています。オリーブを漬けたものは、日常的に料理に使われており、生活に密着している作物なんです」(山畑さん)
「これは結婚式の様子です。イスラム教徒の人の結婚式に遭遇したのですが、宗教上の理由で、会場が男性と女性でわかれているんです。結婚式では、式場の周辺に住む人達が集まり、出入り自由でオープンな結婚式が行われます」(山畑さん)
「これは南部のヘブロンという、伝統のガラス工芸が有名な街での風景。陶器やガラスはお土産としても有名です。聖地だけでなく観光地もあり、巡礼者や観光客の多くが訪れる街です」(山畑さん)
「こちらは、難民キャンプです。もともとはキャンプだったのですが、すでに70年くらい経っているためキャンプから小屋に、小屋から家になりました。年月を経て、家族が増え、増改築を繰り返し、いまや一つの街になっています」(山畑さん)
POINT 3:
懸念される大規模な民衆蜂起
「トランプ大統領の発言は、パレスチナの存在意義を否定するものだったとのことですが、山畑さんは今後どのようになると思いますか?」(サッシャさん)
「パレスチナ側は東側のエルサレムを首都として主張していたので、大統領の発言はそれを反故するような形になりました。今後、大きく情勢が変わるポイントとして、パレスチナ側で大きな民衆蜂起(インティファーダ)が起きるかどうか、を見る必要があります。
かつて大規模な民衆蜂起が2回あったのですが、再び起きる可能性も懸念されています。報道だと起きる可能性は低いという見解ですが、現地の方からすると、大規模な蜂起が起きるまでは誰もわからない、という意見もあります。現地の人でも、今後の流れが予測できず、引き続き情勢を注目する必要があります」(山畑さん)
今回のニュースをはじめとした山畑さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
12月26日は、リブライトパートナーズ 代表パートナーの蛯原 健さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください