【新】元会長の独白。なぜ私はカジノで106億円を溶かしたのか

2017/12/5
6年前、世間を騒がせた「あの経営者」が密かに復帰した。
井川意高。大手製紙メーカー・大王製紙の社長・会長でありながら、シンガポールやマカオのカジノで106億8000万円を使い込み、そのうち数十億を子会社から不法に借りたとして、特別背任罪で実刑判決を受けた人物だ。
「名門企業の創業家経営者」が引き起こした不祥事とあって、2011年当時、事件はテレビや週刊誌などでセンセーショナルに報道された。
そんな井川氏は昨年末、収監先の喜連川社会復帰促進センターから仮出所を果たし、今秋には一連の経緯を語った著書『東大から刑務所へ』(堀江貴文氏との共著)を刊行した。
井川氏はなぜ、これまで築き上げてきた地位を失うまでギャンブルにのめり込んだのか。逮捕され、そして実刑判決を受けた瞬間、何を思ったのか。社会復帰を果たした今、次なる展望をどう描いているのか。
酸いも甘いも噛み分けた「私の始末書」が明かされる。
井川意高(いかわ・もとたか)/元大王製紙会長
1964年、京都府生まれ。87年、大王製紙に入社。2007年社長、2011年6月会長に就任。社長在任中の10年から11年にかけ、カジノで106億8000万円を使い果たし、子会社から巨額の資金を借り入れた事実が発覚。会長職を辞任した後の11年11月、会社法違反(特別背任)の容疑で東京地検特捜部に逮捕される。13年6月、最高裁で上告が棄却され、懲役4年の実刑判決が確定。3年2カ月服役し、16年12月14日に仮出所した。

一種の依存症