躍進の中国、イノベーションの原動力は「変な人」?!

2017/11/22
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
11月22日は、中国でのビジネスに詳しい、コーポレイトディレクション プリンシパルの是枝 邦洋(これえだ・くにひろ)さんが出演。
是枝さんは、京都大学を卒業後、コーポレートディレクションに入社。主に日本企業の中国事業展開支援に携わり、2015年よりCDI-China副総経理に就任。最近では中国企業による日本企業の買収・提携支援にも取り組んでいらっしゃいます。今日は「人口が多いから変な人も多い!? 中国を発展させる『なんでも試す人々』」(ホウドウキョク)を題材に、中国ビジネス躍進の背景についてお話いただきました。
POINT 1:
中国イノベーションの源泉は「変な人」?!
中国の人口は13億人と日本の約10倍。斬新なビジネスが誕生する数は、日本とは比べ物にならない。近年、アリババやテンセントなどに代表されるようなIT産業やモバイクなどのシェアビジネスが急拡大。政府の方針や国民性なども、その背景にはある。
「こちらはLivePicksでお話しした内容の記事です。中国は人口が多く母数が多いので、仮に日本と同じ確率であっても色々なことをやる『変な人』が実数として多い、というような話をしました。
重要なポイントは『変な人』というのは『日本人から見て変な人』という点です。私自身、2010年から中国に駐在しているのですが、私から見て『え、そんなことするの?』という人や、私の常識から外れたことをする人がものすごく多かったんです。それは良い方に驚くこともあれば、悪い方に驚くこともありました」(是枝さん)
POINT 2:
ビジネスへのハードルの低さが成長の原動力
「そうやって色々試していると、すごい成果が生まれる場合もありますよね」(サッシャさん)
「例えば、今流行している中国発のシェアリングバイク。日本にも進出しましたが、『そこらじゅうに自転車を置いて、皆でシェアすればいいんじゃないの』と思いつくことは日本人・中国人に関係なく誰でもできると思うんです。
ただ、それを最小限のコストでアプリを作って、実際にどんどん展開しちゃう。やっちゃう、っていうのは日本と大きな違いだと思います」(是枝さん)
「発想を行動に移すまでがとても短いし、短期間でどんどんやっていくんですね」(寺岡さん)
「個人でビジネスを始めることや起業することが、日本に比べて身近なんです。例えば中国でインフルエンザが流行った時に、うちのオフィススタッフが突然、ECサイトでマスクを大量に買っていたんです。
『なんでそんなに大量に買ったの?』と聞くと『転売しようと思って』と。自らネットショップを持ってるんですね。結局それは失敗しちゃったんですけど(笑)。
アリババのようなプレイヤーがいて、誰でもECサイトで商売が始めやすいという背景はあるのかもしれません」(是枝さん)
POINT 3:
日本と中国、それぞれの強みを理解する
「日本企業が中国企業に勝つのは難しいのですか?」(サッシャさん)
「役割分担だと思います。先程の例のように、中国のように何でも試してしまうのが正しい時もあればリスクもあります。よく話題に上るのが食の安全、そして医療です。
医療で言えば、本当にちゃんと診てくれているのか、手術してくれているのか、一定の水準が必要ですよね。こういう視点からすると命に関わるような分野は、常識破りではダメで、日本のように一定の常識がある方がいいですよね。
だから中国の皆さんも、日本に来て食べ物を買ったり、医療サービスを受けたりしているのだと思うのです。逆に、ABテストをひたすら繰り返して最適化を図っていくIT関係は、中国がすごく強いです」(是枝さん)
「私たちは中国から何を学んだらいいのでしょうか?」(サッシャさん)
「中国に関して言えばもはや、学ぶ・学ばないという観点じゃないと思います。もう、日本は(昔のように)中国に教える立場ではなくなっています。お互いにイコールパートナーとしてどうやったら新しいことができるのか、一緒に考えていけるといいなと思います」(是枝さん)
今回のニュースをはじめとした是枝さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
11月27日は、DeNAの健康経営アドバイザー、平井 孝幸さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください