[ワシントン/東京 13日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、物価安定目標2%の達成に向け、現在の金融緩和政策を継続すると説明した。会議後の記者会見で明らかにした。黒田総裁は会見で、先進国の株高は企業収益の先行きを反映したものとの認識も示した。

黒田総裁は、日本経済の現状について「内需、外需がバランスよくけん引しており、景気回復のすそ野が様々な主体に及んでいる」との認識を示した。需給ギャップの改善を伴いながら将来的な物価上昇率も高まるとし、「物価目標達成のために強力な金融緩和を継続すると説明した」ことを明らかにした。

黒田総裁はまた、足もとの株高に言及し、「企業収益が好調で、今後の見通しも比較的明るいということを反映したものではないか」との見方を示した。

その上で「欧米も日本も、これまでのところ金融市場で大きな行き過ぎがあってリスクが高まっているとは考えていない」との認識も示し、ETFの買い入れについて「東京証券取引所の時価総額3%程度の株式をETFを通じて買っているが、これ自体、非常に大きなシェアになっているわけではない」と語った。

G20では、世界経済が順調な回復を見せる中、金融・財政政策、構造改革などを組み合わせて持続的な成長を実現するとの方針を重ねて確認した。7月の首脳会議で、すでに幅広い分野での合意がみられたことから、今回は共同声明の採択を見送った。

財務省幹部によると、貿易や為替に関する議論はなかったという。

(木原麗花、梅川崇 編集:山口貴也)