ガラパゴスな日本版GPS衛星
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たしかに費用対効果に疑問符はつくでしょう。ですが、「使いもしない」とか「宇宙開発セクターが儲ける錬金術」というのは明らかに言い過ぎです。
やはり安全保障上の意味が一番大きいと思う。考えてください。GPSってもっとも採算を取りやすい、つまり民間でやるのに適している宇宙事業だと思いませんか?世界中のGPSレシーバーから年100円ほど取れば十分に商売になるでしょう。なぜ、そんな民間でもできることを、アメリカ空軍が、アメリカ人の税金を使って、世界中に無料提供しているのか?
民間GPSを潰すためです。国営で無料サービスをやられてはどの民間企業も対抗できない。結果、世界中がアメリカ空軍のGPSに依存する。で、有事の際には米軍はいつでもGPSをストップできるのです。一方、暗号化された信号はアメリカ軍だけが世界中で使えます。全世界を依存させておいて、いざという時に米軍だけが使えるようにする。なんとも巧妙です。
もちろん日本はアメリカの同盟国ですが、有事の際には北朝鮮や中国上空でのGPS信号の提供をやめるかもしれません。それはすなわち、日本上空でもほぼGPS信号が止まることを意味します。もちろん、中国の北斗やロシアのGLONASSに頼ればもっとリスクは高まります。
計画では23年に「みちびき」は7機体制になる。そうなればGPSの補完ではなく、「みちびき」だけで測位ができる。つまり日本が独立して日本周辺での測位システムを手にする。この安全保障上のメリットは大きいです。
二点目。自動運転はセンチ単位のGPSがなくとも光学等による現状周辺認識で十分、というのは技術がわかっていない指摘。カメラやライダーを用いた位置推定は誤差が大きく、誤認識などによる信頼性に問題がある。平たく言えば、道路の車線のペイントが薄かったりかすれていたりすると、正しく認識されず車線をはみ出す可能性などがある。事実、火星ローバーはもちろんGPSがないのでカメラを使った位置推定をしますが、地上で試験をする際にはGPSと比較してその信頼性を評価します。つまりGPSはground truthになる。自動運転の場合も、カメラを使ったperceptionは必須ですが、センチ単位のGPSがあるならば、それと併用する方が信頼せは格段に上がります。農業への応用(例えば自動田植え機とか?)もそう。なるほど,確かにそういう見方もあり,興味深い指摘です.
「みちびき」はガラパゴスかと言われれば,日本での利用がまず想定されていますが,アジア,オセアニア,太平洋地域でも受信は可能で,今後の海外展開は課題の一つです.
光学等のセンサーがあれば,「センチメートル単位測位」はいらないかどうかですが,「すべてをセンチメートル測地に委ねる方が危険」というのはその通り.だけど「すべてを委ねる」とは専門家は誰も言っていない.光学センサも必要.多様な性質を持ったセンサのセンサ融合がベストです.ドローンポートの研究というのをやっていますが,
https://newspicks.com/news/2078810
カメラからの画像認識でドローンを精密誘導することは不可能ではありませんが,そこそこ難しく,精度の良いセンチメートル単位測位と組み合わせることができれば,より平易になります.その点で「みちびき」には期待しています.
あと,米国のGPSを始め,他国のGNSSに頼ることは安全保障上の問題も指摘されているので,その点でも「みちびき」は意義があると思います.
【追記】こういう記事があると,よいしょ記事ばかりより,みんなが考えるようになるので,たまには良い.小野プロの仰る通りで、準天頂衛星みちびきは最初から安全保障上の目的が付与されていると見られています。
特にみちびきの2号機以降は暗号化した特殊な測位信号によって、妨害電波や偽の信号による攪乱を防ぐことができるシステムが組み込まれており、これは北朝鮮のGPS妨害に対抗するためのものだと考えられます。
又、アメリカが有事の際には意図的にGPSの精度を変えることはよく知られており、軍事だけでなく民間分野においても極度のアメリカ依存は危険であることは言うまでもありません。
L6の特殊性はその通りではありますが、それは安全保障や産業用を意図しているからで、みちびきはL6以外にもL1CA、L1S、L2C、L5などの補完信号に対応しており、iPhone7以降を始め、日本で発売されている多くの携帯が対応するとみられており、決して汎用性が低い訳ではありません。
航空宇宙の分野は、単純に経済的な損得だけで測れる分野ではないということは念頭に入れておく必要があると思います。