【激白1万字】久夛良木健。プレステからAIへ「未来はチップに宿る」

2017/10/10

「伝説」の開発者が降臨

まさに不可能を可能にしてきた男だ。
1994年に発売されたプレイステーション(PS)は、映画のようなリアルなグラフィックスと操作性で、ゲームのあり方を決定的に変えた。
当時、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)を立ち上げ、その開発の一切を取り仕切った久夛良木健はもはや「伝説」の人物だろう。PSは家庭用ゲーム機で初めて販売台数が1億台を超え、今もソニーのビジネスの要であり続けている。
だが、日本では、ゲーム業界を変えた天才として語られることはあっても、世界のコンピューティングを震撼させたという、文脈で語られることはまだまだ少ない。
「久夛良木さんは、日本でただ一人、インテルが君臨するCPUの世界を脅かした人物だ」とIT業界関係者は指摘する。
久夛良木は、PSを通じて、何を実現しようとしたのか。また、「今が最高にエキサイティング」と語る彼は、今後のテクノロジーの世界をどう見通ししているのか。今もテクノロジーの世界を駆けずり回る本人に直撃した。