この連載について
中国は崩壊するー。そんな言葉が日本で繰り返し語られてきたことか。現実には中国の存在感は世界的に高まり、中国経済は成長を続けている。中国の政治体制は特殊で経済も脆弱性はある。だが、我々は「崩壊論」に囚われ、中国の真実を直視できていないのではないか。本特集では、「中国崩壊論」の系譜とその問題点を浮き彫りにしながら、中国の「一帯一路」の最前線・スリランカの現地ルポや中国企業のアジアでの活発な企業買収も取り上げる。
この連載の記事一覧

【読書案内】崩壊論に惑わされないための「中国本18冊」
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【中国政治】近づく党大会。習近平は「神」になれるか
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【津上俊哉】中国経済を蝕む「共産党のカルマ」
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リープ・フロッグ現象の中国企業。「崩壊論」の裏番組インド
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香港vsシンガポール。アジア・ハブ都市の強みと弱みを探る
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【スリランカ・ルポ】「一帯一路」の最前線。巨大プロジェクトで浸透する中国
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【スライド】データで見る中国経済巨大化の足取り
NewsPicks編集部 313Picks

【梶谷懐】「中国経済崩壊論」の問題点
NewsPicks編集部 142Picks

【検証】第三次ブームに沸く「中国崩壊本」。なぜ不毛な議論が続くのか
NewsPicks編集部 224Picks
具体的には、スリランカ現地取材ルポ、中国経済の拡大をデータをつかってスライド形式で分析、そして、国際政治経済研究者のファー・キンベン氏の寄稿の編集・翻訳、プロピッカーでアジアのスタートアップに詳しいベンチャーキャピタリストの蛯原さんへの取材(予定)を担当しました。
崩壊する、崩壊すると言われてきた中国、現実はまったくそうなっていません。崩壊論の系譜をたどるとともに、中国経済の変化について特集します。本日より一週間、よろしくお願いします。
ちなみに、中国の勉強を始めました。少しでも、やるとやらないとでは、見えてくる世界の広さと深さが違って来ることを実感しています。
シーザーの言葉に、自分の見たい未来しかみない人が多い
というのがある。
殆どの経営者は、突然の変化に備えつつも、巨大な崩壊を
予測する人は殆どいない。
ある自動車会社の役員の人は、崩壊論が盛んな時に、
人口とその所得変化を見ていると、まだまだ伸びると
言っていた。
そして、自分のみたい未来しかみない人間こそが
崩壊して行くのだとおもう。
「良くも悪くも、中国に対して抱いているイメージが、激変するかと思います!」
今後の見通しが厳しい日本ですし、まだまだ文化度の低い中国人ですので、アンチ中国の感情は分からなくもないですが、多くの中国人がまだ貧しい中国ですので、暫くは伸び続けますよ…
安易に否定的な感情論に流れるよりも、如何に「世界最大の市場経済」となる中国と付き合うかを考えた方が、日本のためになるかと思います!
日本で出発されている中国崩壊本は主観的で扇情的なものが多く、データに基づいた客観的議論があまりなされていません。これまで書かれてきた内容と現実を検証することはとても意義があると思います。
私の専門分野で言うと、崩壊論その5の北京や上海での不動産バブル崩壊はまずありえないと思います。毎年、全国各地から夢と希望を持った優秀な若者が北京の大学に来ますし、その多くが卒業後北京での就職を望んでいます。不動産に対する需要は年々高まっているのです。
私は、ターニングポイントが2020〜25年に来るとみています。その根拠は人口動態です。中国での平均住宅購買年齢は30歳前後と言われていますが、この層の人口が減少に転じるのがこの時期です。2015年の25~29歳の人口を100とすると、5年後には(今の20~24歳)78.0となり、さらに5年後には(今の15~19歳)58.5にまで落ち込む計算になります。若者が都市部に集中すると、地方の不動産価格には強い下落圧力がかかると思います。一人っ子政策の歪みですね。
このような問題に中国政府がどのように対応していくのかはとても興味深いです。
それは社会保障です。日本以上に深刻な「老齢化」と、若年人口の減少、さらに老齢した人々は日本の高齢者と異なり、さほどの学もなく、今日の社会に貢献できる能力が著しく乏しい状態にあります。(私は間違いだったとは思っていませんが、転換の遅すぎた)一人っ子政策のツケが激しく跳ね返ってきた結果です。まさか、「姨捨て山」のような制度を採ることはないと思いますが、ここに対する解がまったく見出だせていないこと。それが中国困窮化の最大の懸念要因です。
なぜこれほど持て囃されるのか?それは数字が取れるから、外れると🎶分かっちゃいるけどやめられない🎶という事ですね。
週刊エコノミストでも、危機とかリスクとか絶望とか否定的な見出しの特集と、中国の破壊力といった中国を畏怖するタイトルでは、崩壊モードの方が確実に売れ行きがいい。しかし、そこに甘んじていたら、本質は見えなくなると思います。
先日、ある大手電機メーカー社長と懇談した時、彼は「中国は30年企業が3年企業と戦っているんだ」と100年企業が多い日本に警鐘を鳴らしていました。つまりイノベーションのスピードで日本企業は中国に勝てるのか?と問いかけていたのですね。
パクリ中国と言いますが、PayPalでもLINEでも、パクった後のイノベーションと普及のスピードは凄まじいです。支付宝やWeChat Pay、つまりスマホ決済やシェアリング自転車ですね。課題が出るのも悪用も早いけど、それ以上に社会の変化が早い。
私のお奨めは以下の3冊、『街場の中国論』内田樹、『貝と羊の中国人』加藤徹、『中国=文化と思想』林語堂。中国を考える時、この3冊を読んでから中国の歴史や経済、文化を振り返ると、なるほどそうだったのか、と膝を打つ事が多いですよ。林語堂は講談社学術文庫で500ページを超える大著ですが、読み応えありますよ。それと、入手しにくいかも知れないですが、法政大学出版局には『太平洋戦争と上海のユダヤ難民』丸山直起著、という名著もあります。ユダヤ人と中国という視点、ユダヤ人の中国への理解とそのアプローチから見えるものも多くあると思います。
いずれにしても、この特集は楽しみ。ユダヤ特集に続き、必読と思います!
追伸 書名が間違っていたので修正しました。
『貝と羊の中国人』加藤徹著、『中国=文化と思想』林語堂著 です。
もちろん誰にも分からないのでしょうが、地盤のずれのように「歪み」が蓄積されているように感じますし、どこかで大きな「調整」が入ってもおかしくないとはずっと感じています。とはいえ、「崩壊」は大げさで、米中が二大国になる流れは変わらないとかんじますが。