この連載について
中国は崩壊するー。そんな言葉が日本で繰り返し語られてきたことか。現実には中国の存在感は世界的に高まり、中国経済は成長を続けている。中国の政治体制は特殊で経済も脆弱性はある。だが、我々は「崩壊論」に囚われ、中国の真実を直視できていないのではないか。本特集では、「中国崩壊論」の系譜とその問題点を浮き彫りにしながら、中国の「一帯一路」の最前線・スリランカの現地ルポや中国企業のアジアでの活発な企業買収も取り上げる。
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これは1つの例ですが、どうも日本人には、劣勢になると最悪の事態を想定して備えるのではなく、むしろ思考を停止して、自分たちに都合のいいシチュエーションを空想する傾向があるように思います。
こうした傾向は決して特殊なものではなく、よくある集団的な現状維持バイアスの1つにすぎません。
崩壊論とセットで大抵日本凄い論が登場するのも、これが現状維持バイアスの働きであることの証だと言えます。
こうした心の働きが、日本の社会の安定に大きな役割を果たしており、それが日本人の強みの1つであることは決して否定できないのです。
しかし、現状が大きく変化するときは、この強みが一転して弱みになります。
戦況であれ、経済環境であれ大きな変化にあたっては対応が大きく遅れるというマイナスの側面が強く現れてしまうのです。
例えば中国崩壊論と同様に、北朝鮮崩壊論というのも根強くあって、北朝鮮の核やミサイルについても日本が積極的に対策を打たなくてもいずれ北朝鮮は崩壊するという言説は今でもよく見られます。
さらに元を質せば、あらゆる国際情勢や、外交情勢の分析を一切無視して、日本には憲法9条があるから、絶対に日本を攻撃する国はない、という類の話もそうです。
「そうあってほしい」「そうあるべきだ」という深層自己説得が、物の見方に大きな心理的バイアスをかけてしまうのです。
さっぱり当たらない中国崩壊論を嗤うのは簡単なことです。
しかし、経済にしろ、国際環境にしろ、安全保障にしろ、状況が大きく変わる中で、自分たちが同じような現状維持バイアスに取り憑かれていないか、私たちは改めて考える必要があるような気がします。
日本経済崩壊,北朝鮮崩壊,富士山爆発,大地震,巨大隕石,云々.楽観主義者より,「こんなリスクがありますよ」と言った悲観論者のほうが賢そうに見えます.厄介なのはいつかは当たること.いつかは富士山は噴火するし,隕石も落ちてくる.もちろん,リスクを理解しておくことは重要です.しかし,可能性の大小を考えず,そればっかりに踊らされるのは愚者でしかない.
中国に関して言えば,国家の成り立ちや,社会構造が全く違うにもかかわらず,なまじ顔かたちが似ているせいで,中国人は日本人と似た考えと風習を持つと思ってしまう.そんなとき,理解しがたい行動に遭遇すると,不満が高まり,いわゆる「嫌中」にはしる.必要なのは中国の現状を知ることだと思うのですが.
アジアにこれを当てはめると、
日本はジリ貧、中国はまだまだ大丈夫、インドは急成長するはず。
しかしこのような書籍を読む際には筆者の願望ではなく分析の骨格だけをうまくすくっておくことが大切だと思います。
中国崩壊論でよく上げらる過剰債務問題はIMFも繰り返し指摘しています。
https://www.imf.org/ja/News/Articles/2017/08/09/NA081517-China-Economic-Outlook-in-Six-Charts
これがハードランディングにつながる可能性もありますが、当局は適切なポリシーミックスで調整程度に収めようとすることでしょう。その場合の経済影響がどうなるのか、金融市場を見ている私には重要な関心事です。専門家の精緻な議論を楽しみにしています。
「だが、20年以上崩壊が論じられてきて、いまなお崩壊しそうにない中国について、崩壊論を語った作者は少なくとも言いっぱなしにはしないで、「なぜ見立てが外れたのか」を読者に説明する義務があるのではないか」。
この部分だけ読めば、記事で言いたいことはわかるはず。
もう中国も足掛け10年になる
10年生活して思うのは、最初の7年間は、中国の強引な社会体制、貧富の格差、政治の腐敗、そして何より、これまでの歴史上の政治体制で、権力が集中した先には、必ず崩壊が待っているという考えの基、この国の危うさについても、漠然と不安を感じていた。
それが、この2年ほどで大きく感じ方が変わってきた
正直、経済学や政治学に詳しい専門家でも無いので、感覚的な話でしか無いけど、ただただ中間層が爆発的に増えていて、みんなが豊かになっている
貧しかった人たちが豊かになって、街を歩いていても、活気があって、みんなが綺麗な格好をして、ライフスタイルの多様化や、個性を追求し始めているし、政治というよりも社会に対しての不満がドンドン薄くなって行っているように感じる
これは、これまで持っていた、漠然とした「この国は大丈夫か?」といった不安を押し消して余りあるレベルの衝撃だった
今の中国は、大きく変貌しようとしてる
経済の力によって
あくまで感覚値だけど、住んでる外国人は、一様にこの1、2年の変化を感じてるはず
コンビニやレストランの店員のサービスは劇的に向上していて、警察や役所の人ですら、丁寧になっている
車のクラクションは鳴り止み、飲食店全て全室禁煙。
ごめんなさい、と、ありがとう、が苦手な人が多かった中、気づけばタクシーの運転手さんも素直に謝り、素直に感謝するようになった
長く現在の中国に住んでないと気づかない大きな変化だと思う
今のところドンドン崩壊の不安は消えていってる
経済学や政治学で、国の将来が読めるなら、とっくに戦争も経済危機も無くなってるわけで、人間は合理的に動かないところが、人間たる所以でないですかね