FB、Apple、LinkedIn。なぜ中国で苦戦するのか?

2017/9/5

進出の「壁」は厳しい検閲だけではない

世界最大のSNSであるフェイスブックは、20億人超のユーザーを擁する。ビジネス向けSNS最大手のリンクトインは昨年、260億ドルでマイクロソフトに買収された。アップルは時価総額で世界一。今年5月に8000億ドルを超えた。
大半の市場では、この3社が苦戦するとはまず思えない。しかし中国に関しては、彼らが問題に直面しても誰も驚かないだろう。
最近も象徴的なニュースが続いている。7月中旬、フェイスブックの人気アプリが中国政府によって一部遮断された。リンクトインの中国法人は業績が伸び悩んでおり、6月末にトップの退任を発表。
アップルは中国市場でiPhoneの人気に陰りが見えはじめるなか、新しいサイバーセキュリティ法を遵守するために10億ドルの投資を行うと発表した。
彼らの苦境から、中国に進出する外国企業を阻む障害が多様化していることがわかる。そして、この世界最大の市場が、よそ者にとって腹立たしいほど困難な舞台であることを、辛辣(しんらつ)に物語っている。
世界最大のスマホ市場の可能性と、新しい技術に関心が高い裕福な層が増えている勢いに魅力を感じ、アマゾンやモバイルゲーム開発のジンガなど、米IT業界の主だった企業はことごとく中国進出を目指してきた。
しかし、中国市場で存在感のある企業は数えるほどだ。

インターネット文化の違い