“モチベーション格差”だけでなく“アクション格差”も問題だ

2017/8/21
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
21日は、ハピキラFACTORY代表の正能茉優さんが出演。「人生を決める『モチベーション格差』。上がる働き方・学び方」(NewsPicks編集部)を題材に、モチベーションと働き方の関係などについて解説しました。

モチベーションを上げる仕組み

サッシャ 今日は、「人生を決める『モチベーション格差』。上がる働き方・学び方」というトピックにフォーカスです。
寺岡 解説してくださるのはNewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」の正能茉優さんです。
正能さんは慶應義塾大学在学中の2012年、地方にある商材をプロデュース・発信する 「ハピキラFACTORY」を起業し、代表取締役に。現在は、ソニーに勤務しながら自社の経営も行う、「パラレルキャリア」で活躍されていらっしゃいます
正能 おはようございます。
サッシャ まず、内容から教えていただけますか?
正能 仕事が成功するかどうかを分けるのは、やる気や情熱と呼ばれるモチベーションにあるんですけれど、それがどうやって生まれるのか、それがある人とない人の差はどこにあるのかを、色んな人が解説している記事になります。
サッシャ 具体的な例としては、どんなものがあるんでしょう。
正能 例えば、新幹線の清掃員の方のモチベーションのケースがあります。
仕事の内容自体は変わらなくても、持っているバケツをお掃除っぽいバケツではなくて折り畳み式のバケツにして、それをすごく素敵なバッグの中に入れたことで、同じお掃除でも全然違うものとして、本人たちが捉えるようになったんです。
そして、リーダーがチームの清掃員に対して、お掃除屋さんのポジションではなくて、「清掃の面から新幹線をメンテナンスするプロの一員なんですよ」と浸透させることによって、モチベーションをつくっていきました。
そういう精神的な部分と物理的な部分を両方ケアしてあげることによって、モチベーションがどんどん生まれていく様子が見られる記事で、すごく面白かったです。
サッシャ 清掃がすべての新幹線の運行の重要な仕事の一部だと伝わったことによって、モチベーションも上がったと。

アクション格差が問題

寺岡 正能さんは、ハピキラの代表でソニーの社員でもあり、パラレルキャリアというワークスタイルをとられていますが、実際に周囲を見てモチベーション格差を感じますか?
正能 モチベーション格差ももちろん感じるんですけれど、私が一番感じるのは「アクション格差」です。
サッシャ つまり、行動ですか。
正能 そうです。この働き方をしていると、「なにをしたらいいかな」とキャリア相談のようなことを受けるケースが多いんです。
でも、私はぶっちゃけ「やりたいこと」なんて見つからないと思っています。
地方をテーマにした会社をやっているんですけれど、それはある大学のプログラムで偶然地方に行くことになって、そこで地方の仕事をしたら楽しかったから会社にしたんです。それが6年続いているだけなんですよ。
やりたいことは明確に見つかるものではないから、まずは何か「これはやりたくないぞ」と思うこと以外をすべてやってみて、その中で何か「いいな」と思うことがあったら、それを続けてみることが大事なんじゃないかなと思います。
サッシャ みんな「面白いな」「これいいかも」と思っても、仕事につなげたり、会社にしたり、行動に移す人がどれくらいいるかということですよね。
正能 それがなかなか移せないので、現実にならなくて、それを仕事にすることもできないんです。
サッシャ よく二足のわらじを履いていますね。それは、会社の理解もあるからですか?
正能 もちろん、そこだと思っています。ただ、私の場合は大学時代から会社をやっているので、テンションとしては家族がいます、友達がいます、会社を持っています、くらいのものというか。
サッシャ 「それを引き連れて入社してますけど、何か?」みたいな。
正能 私の一部だから、あまり「会社に勤めながら、会社もやらせてください」という感じではないですね。
サッシャ なるほど。副業とかの相談も受けることがあると思うんですけれど、二足のわらじを履くことは賛成ですか?
正能 賛成です。やっぱり、私はハピキラの正能とソニーの正能がいると思っていて、「ソニーの正能ではなかなか会えない人に会えるのがハピキラの正能だな」となったとき、ハピキラの正能で会った国や県の関係者とソニーの仕事をすると、そこで幅が出るんですよね。
例えば、イベント一つをやるにしても、「東京ではなくて地方でやってみよう」とか「ハピキラでお世話になった人を呼ぼう」とか。
ソニー界隈ではない人と、面白い化学反応が生まれるような人と仕事ができるのは、すごくいいんじゃないかなと思います。
サッシャ 両方に相乗効果があるんですね。人脈によって、つなぐことによって、新しいものって生まれますもんね。
正能 技術などは頑張れば頑張るほど発展するんだけれども、単に発展するだけで、「みんなの生活がどうよくなるか」までは、なかなかつながらないんですよね。
やっぱりそこは、リアルに生きている人と技術をかけあわせることによって、やっと人の生活が変わる商品ができると思っています。
それで言うと、幅広い人とソニーの技術を合わせることが、ソニーの商品を面白くしていく一つのカギなんじゃないかなと思っています。
サッシャ なるほど。みんながやりたいことをやるのは難しいけれど、やりたくないことをやっているとしたら、それをやりたいことに変えたりシフトしたりするようにアクションすることで、モチベーションが上がる方向に仕事が変わるかもしれないですもんね。
正能 モチベーションって、新幹線の例もそうだと思うんですけれど、やっている事柄ではなくて、それをどう捉えるかで生まれるものだと思います。
「この仕事は、5年後に○○をやるための仕事なんだ」と思った瞬間に、仕事の捉え方って変わってくると思うんです。
なので、それを短期的にも、中長期的にも見ていくことによって、自分なりのモチベーションを生むことができたら、みんながもっと幸せに働けるのになと思います。
サッシャ この世の中に無駄な仕事はないですから、そこにどう向かって行くかですよね。正能さん、ありがとうございました。
正能 ありがとうございました。

※本記事は、放送の内容を再構成しています。
今回のニュースをはじめとした正能さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
22日は週刊SPA!編集長の金泉俊輔さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください