タカタ倒産劇で透けて見える「銀行側の事情」
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注目のコメント
PE ファンドを運営している立場としては、むしろ今の方が理にかなっていると考えています。
銀行のスタンスもそれはそうなのですが、先日のあすか会議のセッションでお話した通り、
再生案件もノンコアを切り出すMBO も、
我々が投資するにあたり一番重要だと考えているのは、市場環境はどうなのか、
キャッシュカウな事業なのかということです。
どんなに優秀な経営者でも、市場環境に対して大きくアウトパフォームすることは難しいです。
特にPE はレバレッジを効かせるので、先ずは安定したキャッシュフローが生命線であり、
それは突き詰めれば、ビジネスモデルの精査と市場環境の変化に対する耐性を確認することです。
そこを確信してから、じゃあ誰が経営者だったらいいのかと考えます。
逆はあり得ません。それをやると必ず失敗します。
水は高いところから低いところにしか流れない。
つまりどんなに技術があろうが、志が高かろうが、
ビジネスは絶対に経済合理性(エコノミクス)には勝てないからです。
絶対にです。
むしろ過去の案件はここの精査がどうだったのか確認が必要でしょうね。
引用
このうち、「再生型」案件の比率は、近年減少傾向にある。2001年のピークで12%程度だった再生型倒産の比率は、2014年には2%程度にまで減少している。
そして、「再生型」を選んで裁判所に駆け込んだ企業でも、その後活動をやめた企業が6割以上を占める 。経営難の企業は「再生」しなくなっているのだ。タカタの事例をきっかけとした、日本での企業再生・整理について事例や歴史を振り返ることができる記事。
以前より再生型が減っているという事実が興味深い。件数と金額ベースでは違った景色が見えるとは思う(金額の場合は、大型案件があるかないかでデコボコが激しそう)。再生後でも再生しなくなっているという部分含めて、常時から経営をどれだけしっかりしているか。
なお、タカタの場合は、リコールをきっかけに今後の自動車メーカーからの受注に不透明感が強いだけでなく、賠償金額部分が大きい(かつ現時点で読みきれない)ことは、今回の民事再生申請につながったのではないかと思う。法的整理となった理由などは、他の方がコメントされているので割愛します。
ただ、エアバッグのリコール費用を全てタカタが負担するような流れになっていることについて、私はずっと違和感があります。
私見ですが、問題のあるインフレーターを生産していた時、どの程度の問題を把握していたのか。私はタカタにそこまでの過失はないのではないかと思ってます。
それより、そもそも爆発物を使用するエアバッグの経年劣化について、本当に大丈夫なのかという件について、自動車業界全体で目を逸らそうとしているように感じます。
スケープゴートではないかと。
10年以上経過したエアバッグ、ほんとにきちんと動作しますかね?
おそらく完成車を納入している自動車メーカーもデータを持ってると思うんですが、絶対に大丈夫って言いきれますかね?
今やエアバッグが搭載されていない車はありません。車に乗る人全員がどの程度のリスクに晒されるのか。重要だと思いませんかね。