任天堂Switchを分解して分かったヒットの理由 コントローラーにリアルな触覚フィードバック機能を搭載
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なるほど.これは専門家として少し補足をしないといけないですね.
まず,振動子は汎用品ではあるのですが,アルプス電気さんのハプティックリアクタは,高精細な触覚提示を目的として作られたもので,触覚研究者の声がかなり反映されています.
一般的なスマホなんかに入っているバイブレータは,基本的には単一の周波数で最もよく振動するように作られていますが(着信の有無のような二値的な情報を伝えるにはそれで十分なわけです),ハプティックリアクタはその周波数帯域が広く,様々な周波数の振動を再現できるようになっています.これがリアルな触感再生の肝になります.汎用品ではあるものの,任天堂の言うHD触感のために作られたもの,というタイプの振動子です.
また,図にあるようにハプティックリアクタは2軸で駆動するようです.この説明だと,振動の方向が変わることがポイントであるかのようにも読めますが,人の触覚はそこまで感度が良くないので,どちら方向に振動しているかについては,このあたりの周波数についてはほぼ分かりません.2軸で駆動している一番の理由は,共振点を2つ持たせることで,振動の帯域を広く取る,というところです.
また,細かい話ですが,「音楽を振動で伝えたりすることもできる」については,人の触覚で知覚可能な周波数の上限は1kHz程度なので,音楽をそのまま振動にしても,かなりの部分は感じることができません(音楽の帯域は20kHz程度まで).低音を強調する等の加工をすると,音楽を触覚で伝えることが可能になります.たまたま昨日、Switchは画面は2次元だが発想はVRとかARに近いのではという話をしていました。
記事によれば汎用品を使用しているとのことですが、VRに向けた布石を打っている。興味深い内容でした。