【SPEEDA総研】日本のブライダル市場の行方
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今回は6月=ジューンブライドを思い浮かべたので、日本のブライダル市場について書きました。
2015年の婚姻数は63万組に対して、挙式数は41万組となっており、実施率は約65%となっています。結婚適齢期と言われている20-39歳の人口は、2015年1,560万人から2035年には1,290万人と、17%減少すると予測されており、仮に2035年の婚姻数が2015年の婚姻率と同じであれば52万組となり、実施数も同じであれば挙式数は約33万組となります。今後20年の間に挙式数は8万組減少する予測となり、結婚式運営事業者はその補完が必要となります。2035年にも挙式数の41万組を維持するには、挙式実施率は78%となりあまり現実的ではないように感じます。
そのなかで、挙式数を増やすには、できちゃった結婚などで挙式を挙げられなかった既婚者の方たちや、神前式などを行いたい外国の方に焦点を当てるなど、多様化したニーズに対応していく必要があるかもしれません。今後の結婚式運営事業者の動向に注目です。
今日は偶然にも友人の結婚式なので、いってきます!ワタベウェディングの海外事業、特に現地ニーズをどうやってとりこんでいるのかが気になる。決算説明資料をみると、日本からハワイなどへのアウトバンド型の結婚式は長らく行われてきて、現地での式場や二次会会場を持つといったよりアップサイド側への展開が強化されている模様。
海外の現地ニーズのとりこみについては、シンガポールで2つめの式場をオープンと書いてある。現地のお客さんから、どういうところに関心をもって、なぜ、ワタベウェディングを選ぶのかというのは聞いてみたいところ。
ワタベウェディング2017年3月期決算資料
https://www.watabe-wedding.co.jp/library/pdf/corporate/ir/1703_f4.pdf
婚礼産業については、証券会社時代にいくつかの企業からアジア展開について相談を受けたことがあります。記事にもありますが、ところ変われば婚礼のあり方もちがってきます。そうしたなかで日本のウエディング産業の強みをどう活かせるのか、とか。
余談ですが、ずいぶん前にマレーシアの村で、通りすがりの結婚式に参加することがありました。新郎新婦に「通りすがりの旅行者です。そこのおじさんに誘われて参加しました」と話し、妙に喜んでもらえました。プレゼントも何も持っていないので、取り仕切っている方にご祝儀として少しお金を置いていこうとしましたが、「いらないよ〜」と言われ、美味しいマレー料理を山のように食べさせられました。マレー式の正装が見られる数少ない機会です。結婚式は人生の大きなイベントですが、ブライダル関連の上場企業は世界でも多くありません。巨大なマーケットであるはずの米国でも、日本よりはるかに小規模な企業がほとんどです。
日本のブライダル市場を振り返ると、ホテルでの挙式から専門の結婚式場に主軸が移り、婚姻件数が減る中でもブライダル事業者は健闘しています。
しかし、バブル時代の大型ホテルで婚礼が縮小しているように、いずれ専門式場でも低稼働の施設が出てくるでしょう。
なお個人的には、記事中の各国費用比較について、なぜこの項目にここまで費用がかかるのか、という部分が複数ありました。ビジネス上では単価引き上げも重要ですが、もう少しシンプルなプランやマージンを省く工夫などもあってよいと思います。