人生を決める「モチベーション格差」。上がる働き方・学び方

2017/7/31

人間は環境や習慣の産物

変化のスピードが早く、最新の知識やスキルを身につけても瞬く間に陳腐化する時代に、勝敗を分けるものは何か。
それはモチベーションだ。やる気や情熱こそが、最大の成功要因となる。
人生をほぼ決定づけるにもかかわらず、知らず知らずのうちに外的・内的条件に左右されている。
人間は環境や習慣の産物だ。「モチベーション格差」というものが存在する。
特集では格差の背景と、モチベーションが自然に湧き上がる「働き方」「学び方」を紹介していく。

「働き方」編

【小笹芳央】企業と働く人、モチベーション次第で二極化する
「働き方改革」の対応を迫られる企業から組織の変革を求められ、過去最高益をたたき出したリンクアンドモチベーション。
社長の小笹芳央氏は、従業員の「モチベーションアップ」が企業の命運を分けると話す。
働く人も二極化すると予測。どうすれば企業と働く人は存続できるのか。
【岸 勇希】モチベーションが「奪われる」要因を徹底排除せよ
「モチベーションは『得る』よりも『奪われる』方がずっとたやすい」
「人は自分が評価されないことよりも、自分が認めていないやつが褒められる方がモチベーションは下がる」
元電通のエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターで、刻キタル代表の岸勇希氏は「モチベーション・デザイン」を探究して、その結論に至った。
組織において最も注意すべきなのは、「正直者がバカを見る」状況。それを徹底排除することが重要だと忠告する。
ハーバード絶賛、新幹線清掃チームが遂げた「奇跡のやる気改革」
新幹線の清掃チームが列車の到着から発車までのわずかな時間で車内をピカピカにする「7分間の奇跡」。
3K職場がいかにして、やる気と誇りに満ちた職場に変わったのか。この事例がハーバード・ビジネススクールの必須科目として取り上げられた。
改革をリードした矢部輝夫氏が、ポイントを示す。
【ユニリーバ】もし世界の問題が自分に原因があるとしたら?
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの人事総務本部長・島田由香氏は、イノベーションをもたらす「3つのP」を挙げる。1つはPassion(情熱)だ。
そして深い内省が必要。「もしこの世界で起きていることの原因が自分にあるとしたら?」と問いかける。
【慎 泰俊】モチベーションは「習慣の力」だ。続けるコツは?
本業の傍ら、NPO活動に時間を割き、勉強と運動も欠かさない慎泰俊氏は、モチベーションのかたまりだ。
「モチベーションは習慣の力。どんなにつらいことでも、習慣化すればルーティンの一部になる」と言ってのける。
その方法とは? 続けられない人は、一体何が間違っているのだろうか。

「学び方」編

【慎 泰俊】「努力するプログラム」が自分の中にできる前提条件
子どもの貧困と教育問題に取り組む慎泰俊氏は、親との関係が不安定な子どもたちをたくさん見てきた。
努力できるかどうかは、親に愛情たっぷりに育てられ、「心のベース」があることが前提という。
「0歳から6歳までの環境」が人生に及ぼす影響は大きい
0歳~6歳までの環境が、その後の人生に大きな影響を及ぼす。
「良い環境」が子どものやる気、探究心、創造性、コミュニケーション力などの「非認知的能力」を高めるのだ。
「まちの保育園・こども園」を立ち上げた松本理寿輝氏が、生きる力を育む環境について解説する。
東大理Ⅲに子ども4人が合格。母の育て方「非常識な15の鉄則」
息子3人と娘1人を日本最難関の東大理Ⅲ(東京大学理科3類)に合格させた〝佐藤ママ〟こと佐藤亮子氏。
いわゆる「教育ママ」のイメージとはほど遠い。子どもの勉強に対するモチベーションが自然に上がり、楽しく学べるように最大限のサポートを365日26年間続けてきた。
その常識外れの「鉄則」を公開する。
『うんこ漢字ドリル』266万部超。勉強とエンタメを組み合わせろ
「うんこ」という言葉を全例文に使ったユニークな学習ドリル『うんこ漢字ドリル』が、発売から4カ月で266万部の大ヒットとなっている。
小学生の学習意欲に火をつけた文響社社長の山本周嗣氏に、制作秘話と本作りに対するこだわりを聞く。
特集「モチベーション格差」、第1回はこちら
(構成:上田真緒、撮影:遠藤素子、バナー写真:iStock.com/Devrimb、デザイン:今村 徹)