【MIT教授】「30年の停滞」を産んだ日本のイノベーション欠乏(前編)

2017/4/22

日本を見続けて来た教授の目

世界有数のビジネススクールとして、知られるMIT(マサチューセッツ工科大学)のスローン・スクール・オブ・マネジメント。この学校で1986年から教鞭を取り、IT業界の権威としても知られるマイケル・クスマノ教授は、1980年代から何度も日本で暮らし、日本企業の研究を続けてきた知日派の研究者として知られる。
トヨタに日産、東芝に日立、富士通などの日本企業と、インテル、マイクロソフトにIBM、GE、フォード、グーグルなどアメリカの一流企業について、国内外の分け隔てなく、ハードウェア、ソフトウェアの両面から、その経営戦略の歴史を眺めてきた生き証人だ。
特にビル・ゲイツとの関係が深いクスマノ教授。その数々の著書は、多くが日本語にも翻訳されている
クスマノ教授は、2016年から、東京理科大学の特任副学長として、大学改革にもその手腕を振るっているが、今年の5月に、その任期を終えるのを前に、今の日本企業が抱えるイノベーションの課題について、語ってもらった。
その内容を前後編の2回にわたってお届けしたい。