ロシア、米国にリビア実力者の支持を要請か
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混乱しまくっているリビアについて説明するのはとても難しいのですが、現在3つの政府と5つの武装勢力によって分割されていると考えたらいいと思います。
3の政府とは、一応正当とされているセラージュ首相の統一政府、トリポリを中心に最近復活を宣言したサニ前首相の救国政府、そして統一政府の母体であったにもかかわらず離反したトブルク議会の3つです。
この3つの勢力に、それぞれ武装勢力が付いていて、統一政府にミスラタ民兵、救国政府にはムスリム同胞団系の武装組織リビアの暁、そしてトブルク議会にはリビア国民軍を率いる元カダフィ政権の大将、ハフタル将軍が付いたり離れたりしながら互いに争っているのです。
これだけならまだ理解できるのですが、ここにアルカイダ系とも言われるイスラム原理主義勢力のアンサル アル シャリア、そしてISまでも加わり、正直誰が敵で誰が味方かよく分からない大混乱状態になっています。
この中で鍵となるのが、旧カダフィ政府軍の支持を受け最大の軍事力を持つハフタル将軍です。
統一政府が正式に承認を受けるには、トブルク議会の承認と国軍の支持を取り付ける必要があり、ハフタル将軍はその両方に大きな影響力を持っているからです。
オバマ政権とNATO軍は民主化の夢を見てカダフィ政権を倒したにも関わらず、手に負えなくなるとリビアを放置し、大量の難民や内戦による死者を出す大混乱を招きました。
こと中東に関しては今のところトランプの方が、オバマ政権より現実的な政策を持っているように思います、
ここはロシアと手を結び、リビア情勢を安定させることが、まず先決でしょう。ハフタル将軍はもともと米国CIAが抱えていたんだが、オバマ政権が民主化に期待をつないで冷たくしていたらロシア側に行っちゃった。オバマ政権と関係が悪かったエジプトのスィースィー政権が直接支援の媒介になっている。まあ隣の国だし。エジプト型の軍人支配モデルをリビアに輸出したいらしい。
ロシアのリビア反体制派に対する肩入れが目立っています。
シリア空爆の帰りに空母クズネツォフをリビアに寄らせたのは好例でしょう。
ロシアにしてみれば、ここでリビア内戦の勝者と組めればアラブの春によるカダフィ政権崩壊の痛手を回復できます。また、地中海の拠点にしたかったエジプトが案外すげない反応だったので、リビアの拠点化(海軍基地や飛行場などの設置)を考えている可能性もあります。