NewsPicksの親会社・ユーザベースが運営する、企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」。金融機関やコンサルティングファーム向けにスタートしたSPEEDAは、事業会社の経営企画部で、中期経営計画や新規事業戦略、M&Aの戦略立案に生かされるなど、国内外の事業会社における活用の幅を広げている。同社でお客様からの幅広いニーズに応えるCS(コンサルティングサービス)の早船明夫氏に、SPEEDAだからできる顧客課題への取り組みを聞いた。

唯一無二のサービスを提供

SPEEDAのCSは、一般的にイメージするCSとは違います。カスタマーサポートでもヘルプデスクでもなく、読み方は、コンサルティングサービス。経済情報に携わる上で、「常に最良の情報を提供するコンシェルジュでありたい」というのが、私たちコンサルティングサービスの思いです。
コアミッションは「SPEEDAの一歩先の価値を届け、ファンになってもらう」こと。日々寄せられる、SPEEDAに関するあらゆる質問や相談に対応し、個別のニーズに合わせてカスタマイズしたデータの収集から分析、提供まで、コンシェルジュの役割は幅広くあります。
コンサルティングサービス マネージャー 早船明夫
たとえば以前、M&Aのコンサルティングを行っているお客様から「M&Aを行うと予想される企業候補リストがほしい」というオーダーをいただいたことがありました。既存のリストはないので、自分たちでつくるしかありません。
そこでまず、有価証券報告書をベースとしたデータから株主情報を抜き出し、それが代表者名と合致する「オーナー企業」をリストアップ。
さらに、「代表者が高齢のケースは事業承継に関するM&Aのニーズが高いのでは」「財務的にひっ迫していればさらに可能性が高いのではないか」など、SPEEDAに蓄積されている情報と公開情報とを合わせながら、唯一無二のリストを提案しました。
また、2016年6月にイギリスが国民投票でEUからの離脱を決めた「BREXIT」の際は、イギリスに関係会社を持っている企業リストへのニーズがあるだろうと予測。お客様がすぐにダウンロードできるよう、先回りしてデータを作成しました。
世界情勢に敏感に反応し、お客様が求める情報を先回りして出していくもの、コンサルティングサービスの役割なのです。
依頼に対応するだけが「SPEEDAの価値を届ける」ことではありません。財務や会計、ファイナンスに関して深い知識を持ち、有価証券報告書のどの数字からどんな情報を読み取れるか、情報をいかに掛け合わせるべきかを考え提供する。
それではじめて、「コンシェルジュ」といえる領域に達すのではないかと考えています。

従来の常識を変えたSPEEDA

こうしたサービスができるのは、SPEEDAに有価証券報告書のデータをはじめ、財務データや企業の代表者など膨大な情報がすべてデータベース化されてあるから。
そもそもSPEEDAは、金融機関やコンサルティングファームの方がリアルに抱えていた構造的な問題をテクノロジーの力で解決したプロダクトです。
たとえば、「新規事業を検討したい」という顧客からの要望に対して提案資料を作ろうとすれば、業界構造や市場規模、競合企業など、さまざまな情報を収集する必要があります。
しかし、それらの情報はいろんなデータベースや国会図書館などに散在しているから、情報収集にとにかく時間がかかってしまう。
そこで、多様な企業情報や業界情報を集約し、分析しやすい形に整理したのがSPEEDA。今まで何日もかけていたような情報収集の作業が、たった数秒で終わるようになりました。
そして、お客様の求めるデータがSPEEDAで見つからなかったとしても、私たちコンサルティングサービスがいます。私たちの知識と、社内にいる570もの分野に精通したアナリストたちの知見を活かしながら、最適な情報を提供しているのです。

世界に挑戦する当事者になりたい

私が2014年にユーザベースに入る前は、金融情報サービス会社で、機関投資家や大学に向け、国内の株式関係の業績予想のデータや調査レポートの配信システムを販売していました。
SPEEDA発足当初のデータサプライヤーの一つだったため、ユーザベースのことは創業期から知っていました。
ただ、当時はリーマンショックの荒波が金融業界に吹き荒れていたころ。グローバルサプライヤーが強く、国内向け情報サービス会社は解約される事態が続いていたので、ユーザベースもつぶれるんじゃないかと思っていました(笑)。
しかし、その後着実にお客様を増やし、「企業・業界情報プラットフォームとして世界を目指す」を体現している点に感銘を受け、自分もそのストーリーの当事者になりたいと思ったのです。
ポストが空くまで4~5カ月コンタクトを取り、最終的には3週間の「採用トライアルインターン」を自ら提案して本採用となりました。ジョインする前のインターン体験は、入社後にミスマッチがないという点で、とてもよかったなと思っています。

お客様に感動体験を提供したい

現在、コンサルティングサービスは、銀行や企業の経理・財務、情報ベンダー、IRコンサルティングなど、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーによって構成されています。
集まってきたのは、前職で得た知識や知見を、スタートアップに近いチャレンジングな場所で活かし、さらに高みを目指したいと思う人たち。そして共通するのは、お客様からの要望にはどこまでも応えようとするホスピタリティの高さです。
バグを指摘されたら単に報告するのではなく、自ら原因を調べて開発チームにフィードバックして改善提案をしたり、データの不備に関してデータサプライヤーと折衝し、データベースの在り方そのものに意見を出したり。SPEEDAの価値を高めることに妥協がなく、主体的なメンバーばかりです。
むしろ、コンサルティングサービスこそが、SPEEDAのサービスエッジである、という能動的な姿勢で取り組めなければ、日々の問い合わせに忙殺されるだけに終わってしまいます。
目指すは、お客様に感動体験を提供できるチームであり続けること。この考えに賛同いただける方には、ぜひ仲間になってもらいたいと思っています。
ユーザベースでは、入社前に業務理解を深めてもらうよう、採用前のトライアルインターンや、カジュアルな面談の設定など、一人ひとりに合わせた選考フローを用意しています。
私自身も、3週間のインターンを経て入社し、社風や仕事内容とのミスマッチをまったく感じることなく働けているので、そんな“お試し”体験もおすすめします。
世界中のCSが憧れるコンサルティングサービスを目指して。これまでに培ったスキルを活かしつつ、さらなる高みを目指しませんか。
(取材:田村朋美、文:田中瑠子、写真:藤記美帆)