【図解】日本はどの立ち位置か。8つの指標で見る「文化のズレ」

2017/2/13
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第66回は、ビジネススクールのINSEADで組織行動学を教えるエリン・メイヤー氏が登場する。
メイヤー氏を一躍有名にしたのは、2014年に出版した著書『The Culture Map』(邦題『異文化理解力』)だ。
同書でメイヤー氏は、30以上のグローバルビジネスパーソンに調査を行い、各国の行動パターンを8つの指標で比較した「カルチャー・マップ」(下図)を考案した。
図表を見ると、「日本は含みのあるコミュニケーションを好み、ネガティブな指摘は間接的に伝え、意思決定の際にはコンセンサスを重要視するにもかかわらず組織のヒエラルキーが強い」──など、思わず頷いてしまうような特徴が浮かんでくる。
こうした説明のみならず、同書では「平等主義のイスラエル人幹部が、ヒエラルキーを重視するロシア人ミドルマネージャーを部下に持った際、彼を飛び越して職位の低い従業員に直接メールしたため、彼に激昂された」など、異文化理解が欠けていたために生じた数々の失敗例が興味深く描かれている。
グローバルに活躍するビジネスパーソンにとって、外国人の価値基準や行動パターンを理解することは言うまでもなく不可欠だ。今回、来日したメイヤー氏に、日本人として意識すべき「異文化理解力」の神髄を聞いた。