プライベートエクイティと年金基金の互恵関係

2017/2/7
米国のビジネス界で存在感を高める、プライベートエクイティ(PE)。近年、その投資分野は、企業のみならず、公共インフラ、自治体にまで拡大している。全米を席巻するプライベートエクイティの全貌にニューヨーク・タイムズの取材班が迫る(全8回)。 
予告:年収800億円。プライベートエクイティ幹部の3つの収入源
第1回:現代プライベートエクイティの「冷徹な儲けの原理」

世界の機関投資家から集まる資金

プライベートエクイティ運用会社のアポロ・グローバル・マネジメントとC・ディーン・メトロポウロス&カンパニーは、買収したホステス社が販売するお菓子トゥインキーを再発売するにあたり、アメリカ人の「懐かしい」という気持ちに訴えることにした。
その戦略は、朝のテレビ番組の見物客だけでなく、ロングアイランドの超高級ホテルで開かれた結婚式でもゲストにトゥインキーが配られるほどに大当たりした。後者の場合、新婦の父親がアポロの幹部だったせいもあるけれど。
アポロの創業者レオン・ブラックは、コネチカット州ウエストポートとマンハッタンのパークアベニューに邸宅を持つ家庭に生まれ、ダートマス大学とハーバード・ビジネススクールで学んだ。