この連載について
プロピッカーとNewsPicks編集部のメンバーを中心に、NewsPicksに集ったプロフェッショナルが日々ウオッチしている専門分野の「2017年」を大胆に予測。ビジネス、テクノロジー、政治経済、世界情勢、そしてイノベーションなど、各カテゴリで2017年のトレンドになりそうなムーブメントや知っておきたいビジネスのヒントを指し示す。
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良記事だと思います。
一つ興味のある観点を挙げると、インターネット関係のサービスを提供・享受する際に考えるべき「身体性」の価値についてです。
キンドル等にはない紙の本の匂いや手触り感にこだわる人がいたり、スカイプで話すのでは得られない実際に会って話す喜びの“官能的”な価値のことです。
松岡氏の論考でも、芥川賞の『コンビニ人間』の例を引いて「創造時間価値」として指摘されていました。
創造時間という観点に、「身体性をベースにした官能的価値」という視点を付加して、これから登場し、支持されるであろう業態を考えてみるのもチャレンジングだと思います。
小売の提供する真の価値とは、物を買うことでも時間を過ごすことでもなくなっていく。無印良品などが最たる例で、アプリを接点にした会員制度によって、お店にいるとき・何か買いたいとき以外でも、生活の一部として無印良品が入り込むように設計されています。
https://newspicks.com/news/1825923/
これは流行りの「コト消費」という言葉でも表せない、さらに先に行っているものだと感じます。無印良品が好き、という「心の隙間を奪う」ような、そしてその結果として物理的な時間を奪うような、価値の提供の仕方であると感じます。(最盛期の百貨店は、もしかするとそういった価値を広く提供する存在であったのかもしれません)
自分の生活に近い場所で、新しい「好き」を生み出す仕組みを作る存在たり得るところが、小売のとてもおもしろいところです。
店舗があるからこそ「創造時間価値」があるというのは非ECの戦い方の根幹となると思う。それは店員さんのサービスにもよるだろう。また、実物を見れたり店員さんがいるゆえの「節約時間価値」が、品ぞろえでは戦えなくなったから重要。つまり、より店員さんのアナログな部分こそが差別化という印象を個人的には持っている。
そのなかで、規模が大きくなるほど、組織の熱量・思いは維持しにくくなるのは現実だろう。これまで店舗やチェーンの大規模化が小売の約百年の歴史ではないかと思うが、逆にそれを小さくしていくことが、逆説的には重要なのかもしれない。
ただ、それは店員さんのサービス含めた「コト消費」で高額領域、ブランド品が直営店に力を入れる背景。そうではない領域だと、逆に物流コストを担保できなかったり、品ぞろえが多くて悩むコストが大きい「こだわりがない商品」のほうがリアルは品ぞろえが限られている分だけ戦えるかも?仁木さんがコメントされている100均とかはその例と思う。コストだけでなく、そもそも100均で売っているようなものを、わざわざAmazonで選びたいと自分は思わない。どこかいったついでに100均であるもののなかからさっさと選びたい。
生鮮食品も含めて、彼らの言うEverything Storeは早晩完成するだろう。全ての小売業は「アマゾンで買えないもの」を考えないといけない。日本ではヨドバシカメラが健闘している。
小売は、それを考えた店舗受け取りなどオムニチャネルを実践しないと、ジリジリ落ち込むだろう。
GMS、百貨店はECに顧客を取られるわけではなく、最近増えてきている複合型商業施設や他エンタメ施設に人が流れているのだろう。
「Amazonは、他の日販品が忙しくて儲からない書籍からの撤退」
私の予測ならぬ初夢ですかね。