【守安功】買収したベンチャーの勢い、DeNAは止めたくなかった

2016/12/18

ビジョンで、事業を制約したくない

──DeNAの企業としての「哲学」は、どこにあるのでしょうか。高い能力のある人たちが集まれば、利益創出には有利です。しかし「哲学」がなければ、やって良いこと、悪いことの線引きができないのではないですか。
DeNAは「Delight and Impact the World」という言葉を数年前に作りました。ユーザーに喜んでもらうこと、その上で、世界的に大きなインパクトのあることをやろうというものです。
──そのインパクトという言葉は、何を意味しているのでしょうか。
そうですね、いろいろなインパクトを認めています。
ビジョンとかミッションについて最近も議論したのですが、事業の内容を規定してしまうようなビジョンというものがあります。
1999年にDeNAを立ち上げて、2001年に作った経営ビジョンは「リユース、リサイクルを通じて循環型社会の形成に貢献する」と、もう一つ「新しい流通インフラを構築する」でした。
オークションサイトやリサイクルショップのようなサービスを展開していたので、そのサービスに合わせたビジョンを策定していたんです。