ベーシックインカム導入実験をする理由
「ロボットが普及し、人間が働く必要がなくなった社会」を想定して、30〜50人の対象者に月額1500〜2000ドルを支給する。この実験の目的とは何か。
プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
ロボットやソフトウェアがの普及によって働かなくてもよくなるとのこと。怠惰な自分はそうなればいいな〜とは思いますが、パワポやエクセルが広まっても残業時間が一向に減らないことを思うと、単に今まで以上の生産物を期待されるだけで、実は大して労働量は減らんのじゃないかという気もします。
技術というよりは文化の問題なのかもしれません。
働かなくてもいい暮らしというのはとことん気楽ではありますが、生きることへの張り合いのなさを感じるのもまた事実。
仮にBIが導入されて最低限の生活の糧を得ることができるようになってもなお、働く理由は何かと考えてみると、社会に生産者として参加していないことへの寂しさや空しさを紛らわすためなのではないかと思います。例えるなら、文化祭に「お客さん」として参加したいのか、出展者として参加したいのか。前者で満足できる人であれば、ダラダラと過ごすようになるのかもしれませんし、それを他人がとやかく言う筋合いの話でもありませんが、大多数の人々は自ら進んで社会の歯車になりたがるんじゃないでしょうか。
数週間以上バックパッカー旅なんかをしていると、ふとした時に「何も生産していないな〜」という虚無感で居たたまれなくなります。
ヒマ時代の到来です。
そういえば江戸時代の藩主の日常はかなりヒマそうです。一方、井伊直弼や阿部正弘など大老や老中はかなり忙しそうです。井伊直弼は非業の死に倒れ、阿部正弘は過労死とも言われています。イメージかもしれませんが、それでも江戸時代の幕閣たちが他のヒマな藩主を批判していた感じはしません。
その後、廃藩置県があり、ヒマな藩主たちは華族として生活が充分できるほどの手当てをもらって東京に移り住みます。その後に没落していく大名たちは多かったですが。
それでも明治維新は起こり、日露戦争には勝ちました。その後に太平洋戦争には負けますが、どんどんヒマな人たちは減っていく傾向にあったように思います。今ではほとんどヒマそうな人は見当たりません。
ひとまず言える事はヒマと世の中の変革に相関関係はなさそうだ、と言うことです。皆がたくさん働けば、労働時間の総和が世の中を豊かにするわけではなさそうです。
ロボット+AIで超ヒマ社会が来る。義務的な労働から解放される。仮にBIが導入されても戸惑う人はいるでしょう。だけど10年も続けば、みな次の豊かな生き方へ移行するとぼくは考えます。その制度設計への挑戦、注目しましょう。
マイニュースに代わり
フォローを今後利用しますか