電通社員過労自殺 労働局が本社を抜き打ち調査
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注目のコメント
電通は過去にも過労自殺者を出しているので、労働局の臨検は当然とは思う。1番疑問なのは、何故電通自信が即対策を打たなかったのかという事。HPのCSRには未だに堂々と「健康管理体制」「ワークバランス」などの文字が並んでおり、本音と建前を感じざるを得ない。社内で自殺者が出たら、普通の経営者なら経営の危機を感じるのが当然だと思うのだが、まだ高度成長時代の感覚なのだろうか?
他であまり指摘されていない点をひとつだけコメントしておきます。なぜ、「新人」が犠牲になったのか。
「新人なのに何も教えられないまま、いきなり仕事を丸投げされた」のではないか、それが一つの大きなファクターなのではないか、という気がずっとしています。
舞台となったのが、少し前に「過大請求」の問題も出たのと同じデジタル広告の部署で、「電通はデジタル広告がちゃんとわかる人があまりいなかった」という指摘がネットで出ていました。それが正しいかどうかはわかりませんが、少なくとも自殺した女性のツイッターを見ると、「教えられないまま仕事を押し付けられダメ出しされ罵倒された」という印象を受けます。
新人に訓練する余裕がなく、異常な非効率仕事が常態化していて新人が潰れる、というのは、一般的な過重労働とは少々意味が違うように思います。日本企業の「終身雇用」では、大学の専門とは関係なくド素人を雇うがその後職場で訓練をする、というのが前提でしたが、「訓練をする」部分がなくなって「ド素人を雇う」だけが残ってしまっている「日本的労働」の残滓、という構造的な問題があり、またそれは実はかなり多くの企業で起こっていることなのでは、と思います。これは驚きました。
労働基準監督署の臨検は、原則事前通知後に行われるものですが、抜き打ちで、しかもかとく(過重労働撲滅対策特別班)による調査とは。
東京労働局のかとく(東京と大阪の二ヶ所にかとくは配置されています)は去年ABCマートの役員を、残業代を払っていたにもかかわらず不当な長時間労働を強いたということで、書類送検に追い込み、全国の身の覚えのある経営者を震撼させました。
労働基準監督署の是正勧告は、行政指導なのでそれ自体には強制力はないのですが、実は、労働基準監督官は司法警察の権限も持ち合わせていて、悪質な違法行為には送検手続きを行うことができるのです。
この時も事案発生から一年後の事でしたから、今回も必ずしも遅すぎるとは限らないとおもいます。
予告なしの臨検監督で、かとくを投入して来たということは、是正勧告だけでなく、悪質な違反による送検を視野に入れているということです。
この件については、私は国の本気を感じますね。