(Bloomberg) -- ソフトバンクグループは14日、テクノロジー分野への投資拡大を目指して1000億ドル(約10兆円)規模となる可能性のある投資ファンドを設立すると発表した。

発表資料によると、同社は今後5年で250億ドル(約2兆6000億円)以上出資する。サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が最大450億ドルの出資を検討している。他にも複数の世界的な大口投資家が参加に向けて協議中という。

ソフトバンクは企業買収を通じて事業を拡大し、転換してきた。7月には英半導体設計会社アーム・ホールディングスの全株式を総額約240億ポンド(約3兆3000億円)で取得すると発表、さまざまな製品がインターネットにつながるIoT時代の中核会社となるとしていた。子会社には米通信会社のスプリントやヤフーを抱える。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「アームを買収し、IoTの中核は押さえた。そこから半導体、電子部品、ソフトウェアといった分野への展開を考えているのではないか」と述べた。また「キャピタルゲインを狙って片っ端から投資することになるだろう。そこから化ける企業を見つけて回収することになる」と分析した。

東京証券取引所への開示資料によると、同ファンドはソフトバンクの連結対象となり、ファンドの業績や資産・負債は連結財務諸表に反映される。

今回のファンド設立は、ソフトバンク財務部門の責任者であるラジーブ・ミスラ氏が主導している。元ドイツ銀行のニザール・アルバサム氏、元ゴールドマン・サックスのパートナーのダリンチ・アリバーヌ氏も関わっているという。

孫正義社長は発表資料でファンドについて、「今後10年でテクノロジー分野において最大級のプレーヤーとなる」との見通しを示し、「出資先のテクノロジー企業の発展に寄与することで、情報革命をさらに加速」させる意向を示した。

ソフトバンク株は一時、前日比3.7%高の6736円まで買われた。午前終値は同3.2%高。子会社のソフトバンク・テクノロジーも一時、20.4%高となった。

原題:SoftBank to Invest at Least $25 Billion in New Technology Fund(抜粋)

(最終段落に株価の動きを追加しました.)

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