【猪瀬×おときた】ネットと政治と民主主義

2016/10/19

小池百合子氏の圧勝で終わった東京都知事選挙。小池都政がまず取り組むべきテーマは何か。東京大改革を成功させるポイントは何か。NewsPicksは「小池都政を問う」というテーマのイベントを9月に開催した。猪瀬直樹氏とおときた駿氏によるセッションを5回連続で掲載する。  
第1回： 都政問題の本質
第2回： なぜ築地の問題が噴出しているのか
第3回：  内田ドンの命運
第4回： 森ドンと東京五輪

森ドンを失墜させる方法

佐々木　ここからQ&Aに移って、皆さんから質問をいただきたいと思います。

質問者1　建築業に携わっております。先ほどのザハの新国立競技場のお話は、もう本当に強い共感を覚えました。ズバリ、オリンピック関連で、森ドンを失墜させる方法はありますか。

おときた　どうですか、猪瀬さん（笑）。

猪瀬　なにか森ドンが関わっているものが、浮かび上がってくればいいけどね。ただ、内田ドンと違って森ドンはやっぱり元総理大臣だから、なかなかそう簡単にはいかないと思う。

おときた　内田ドンが金メダルだとしたら、森ドンはどれぐらいなんですか。

猪瀬　グランドチャンピオンだね（笑）。

それはともかく、組織委員会から去ってもらう可能性はゼロではないと思う。

今、問題になっているのは、組織委員会がある虎ノ門ヒルズの家賃が年5億円ということ。これは背任の疑いがある。この場合、責任者は森さんだから、そこは何らかの形で追及すれば、失墜の可能性はあるでしょうね。

猪瀬直樹（いのせ・なおき）
作家、元東京都知事
1946年長野県生まれ。1987年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年、小泉純一郎首相から道路公団民営化推進委員に任命される。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授などを歴任。2007年東京都副知事。2012年から2013年、東京都知事。2015年から日本文明研究所所長、大阪府市特別顧問。

築地問題への対策は

コメント

注目のコメント

• 牧浦 土雅(ドガ)

  Degas Ltd. CEO

  ・2016年10月19日

  何とかドンの話は時間軸を考えて今は末梢的な問題だと思うのだけど、築地移転に関しては猪瀬さんのポイント二点が本質を突いてると思いました。
  i) 「中央卸売市場の役割は、ますます低下していく」生鮮流通の世界に限らずインターネットが台頭してきて中抜きや卸の存在意義はどんどん下がってきてる。情報の非対称性が解消され、消費者は直接物品を購入できる素晴らしい時代になってきた、と。八面六臂みたいなサービスもあるし。
  ii) 「マグロが床に転がっているなんて、アジアだけ」これは言われてみれば確かにそう。特に生マグロは非常に敏感で、体温で身焼けが起きるほど。本来ならばマイナス60℃の冷凍庫に入れる必要がある。少し外に出しておくだけで半額になる、と言われてるほど。
  移転以前にこういった”そもそも”論も議論してほしかった、もしくはこれからでもしてほしいところです！
• 佐々木 紀彦

  PIVOT CEO

  ・2016年10月19日

  ネットと政治は相性がいい。その功罪を含めて、西田亮介著『メディアと自民党』と小口日出彦著『情報参謀』を読むと、政治とメディアについて理解が深まります。
• 大山 敬義

  暦オタ・ガジェオタ・ミリオタ・時々謎のPro Picer

  ・2016年10月19日

  国政のような巨大なテーマは、それなりに高い見識や長期的且つ大きな視点が必要で、代議制は理にかなった制度です。
  
  しかし、昨今の地方議会の相次ぐ不祥事や、東京都議会の"ドン"の存在に代表される、住民そっちのけの自己利益優先の政治を見ると、地方自治において、本当に代議制が必要なのか疑問に思います。
  
  極端な話、いっそうのこと地方議会は廃止して、ネットによる情報公開を進めて、直接民主制に移管したらどうでしょうか。
  
  勿論直ぐに実現できるとも思えませんし、東京都のような一国に匹敵する巨大自治体では絵空事と一笑されるかもしれませんが、真剣に政治の先行きを考えたとき、ネット時代にはそういう方向性も十分可能ではないかと思うのです。
  
  政治が選ばれた賢人による独占的な行為であった時代は、実は終わろうとしているのではないかと最近感じます。