老舗が身売りする調剤薬局の深刻度
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注目のコメント
あら、思いっきりウチの名前が出ていますね。
身売りという言葉は何とかして欲しいと思うのですが、それはともかく調剤薬局はM&Aが非常に多い業種の1つなのも事実なのです。
調剤薬局はコンビニを上回る5万3000店近くあり、その業界規模は6兆円以上にのぼります。
これは医薬分業によって一時期新規開店が相次いだ為で、完全にオーバーストア状態なのです。
そんなことが背景になって、ここ数年調剤件数や処方箋枚数の伸び率鈍化が顕著になってきたのですが、更に国策としての薬価差益の縮小と診療報酬の抑制が加わって、将来的に収益の低下が避けられない業界構造になってしまいました。
こうした全体のパイが縮小する業界で必ず起こるのが、多数の企業が急激に大手に統合されていく現象、所謂、業界再編です。
実は、調剤薬局は今現在激しい業界再編の真っ只中にあるわけです。
ただこうした業界再編によるM&Aというのはずっと続くものではありません。
調剤薬局の業界再編は、既に最終段階に差し掛かっていて、恐らくあと3年〜5年くらいで、いくつかの大手薬局を勝ち組とする業界地図が確定するだろうと思います。
中小企業のM&Aというと、後継者難による譲渡がよく取り上げられますが、実はこうした人口減少社会を背景にした業界再編も非常に多いのです。医者による薬漬け回避のために、医薬分業を進めるために点数が優遇されてきた調剤薬局も、医薬分業がある程度進みはたと冷静になると、大病院前の門前薬局ばかりで本来期待したようなかかりつけの相談先としての機能を果たしていないということで、単なる調剤に対する点数は減っていく方向にあります
一方で「医療を担ってる」という自負が強い薬剤師さんはサービスを充実させたり、いろいろ重ね売りをしたりというマインドを持ってる人が少なく、なかなか業態としての進化も難しいのが現状
人手不足になれば、「対面での説明」とかにこだわってられなくなり、ロボット化していくのが必然な気がします