VW不正から1年。日産はガソリンエンジンにシフト、再評価されたマツダは?
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原油を分留・生成する過程でガソリンもディーゼルも生まれる。なので、原油という原料をベースに考えると、両方とも今後も使用が続くだろう。ディーゼル自体は、トラックや船舶などトルクを必要とする需要では必須なので、乗用車での使用率は下がる可能性もあるかもしれないが。
明さんがコメントされている、マツダ・人見氏の「ダウンサイジングが行き過ぎた」については①、日産で言及されている可変圧縮技術については②(記事自体はトヨタだが)をご参照頂きたい。
①https://newspicks.com/news/1263285?ref=user_100438
②https://newspicks.com/news/1601438?ref=user_100438EVがこれからどれだけ普及するかはひとまず置いておいて、既存エンジンでいうと、やはりマツダが取り組もうとしていることが面白い。
スカイアクティブエンジンの開発を主導し「ミスターエンジン」と呼ばれる人見光夫常務執行役員は「ダウンサイジングは行きすぎた。今後は欧州勢も必ず排気量を上げてくるはずだ」という。
もともと過給ダウンサイジングエンジンは低負荷領域で燃費性能がよく、アクセルを踏みこんだ中高負荷領域では燃費改善効果は低い。低負荷領域の運転を多用する欧州の計測法に対応してモード燃費を高めるには適した技術。しかし、実用燃費との差の大きさは問題になっていた。一方、ディーゼルエンジンを小排気量化すると、同じ出力を出すには高い温度で燃焼するためNOXが増える悪影響があるので排気量を下げる論理的メリットはない。
そしてマツダは一足早く大排気量化に向かうかもしれない。ガソリン、ディーゼルとも燃費性能を飛躍的に高めるために、燃料を薄くして燃やすリーンバーンの度合いを高める。そのためには排気量を大きくした方が空気を取り込みやすい。ガソリンエンジンでは、過給器を使わず圧縮比を高めることで低燃費化。現行のスカイアクティブエンジンでも採用した方向性である。ディーゼルでは、人見常務は「もっと意図的に排気量を大きくした方がいい」という。NOXの発生を抑え後処理装置などのコストを低減できるほか、比較的小さい出力の用途に大排気量エンジンを使えば、部品を小型軽量化し燃費低減できるという。エンジン技術に関しては宗教論争に近く、真理はいくつもあるだろう。アップサイジングはマツダに取って正義でも、他の量産メーカーには必ずしも最適解とはならない。間違いないことは、Euro7うを見据えれば、欧州小型乗用車ではディーゼルは相当厳しく、電化パワートレインが着実に増加することだろう。