【窪田新之助】テクノロジーが変える、日本の農業のこれから

2017/4/10
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)を、4月3日からスタートしました。
同番組のコーナーPICK ONEでは、月曜日から木曜日まで、それぞれ「テクノロジー・サイエンス」「ビジネス」「政治・経済」「キャリア」と、日替わりで4つのテーマを扱い、各分野のプロピッカーらが気になるニュースやトピックスを未来へつながる視点で読み解きます。
ナビゲーターはサッシャさん、アシスタントはsugar meの寺岡歩美さんが務めます。
10日は、ジャーナリストの窪田新之助さんが出演。「きゅうり農家が、AI搭載の自動選果機を作ってみた」(JOURNAL NEWS)を題材に、農業でAIを活用すると何が起きるのかについて、解説しました。

AIで仕分けを自動化

「選果」とは、一般的にはあまり聞きなじみのない言葉ですが、野菜や果物を品質や大きさなどによって選別すること。
これまで、農家が人力で行ってきたこの作業は、機械による自動化が進んできています。しかし、きゅうりの自動選果機はありませんでした。
そのなかで、今回の記事に登場した元IT技術者できゅうりづくりをしている小池誠さんは、オープンソースAI(人工知能)プログラム「TensorFlow」を活用した「きゅうり自動仕分け機」を自作しました。
これは、約9,000本のきゅうりの画像を読み込ませて学習させることで、きゅうりの等級の判定を行うもの。
それにより、繁忙期には8時間かかる選果作業が大幅に短縮できる可能性があるとしています。
今回のゲストである窪田さんは、この仕組みが実用化されることで選果の作業自体がなくなり、「農家はきゅうりを収穫することだけに専念できるようになり、人手がいらなくなる」と指摘します。
また、今後は農業の機械化が進むと「畑にセンサーを付けることで気温や湿度を測り、いつ病気が発生するか、害虫がやってくるかを予想できるようになります。それにより、いまでは農薬をまき過ぎのケースにおいてピンポイントで実施できるなど、綿密な管理が可能になる」といいます。

農家の高齢化は、むしろチャンス

サッシャさんが「日本の農業は高齢化の問題を抱えていますよね」と質問を投げかけると、「高齢化が進み農家がいなくなることはむしろチャンスです。日本の農家の数は世界的に見ても圧倒的に多いんですが、そのため一人あたりの農地は狭い。今後はこれをより大規模化し効率的にしなくてはいけないので、その方向に行く場合、農家がいなくなることは好機」と指摘。
そのうえで、日本の農業の課題は「経営者がいないこと」であり、近年は「国だけでなく農業法人が人材育成を進めており、そこから巣立っている方もどんどん出てきているので、そういう取り組みには期待したい」といいます。
最後に、サッシャさんが消費者側に変化が起きるかについて問いかけると、テクノロジーによる可能性として「たとえば、ウェアラブルウォッチを身につけて高血圧であることが分かると、それに効果がある機能性を持った野菜を直送する仕組みを作ろうという動きなどがある」と、注目の取り組みを紹介しました。
「きゅうりの話から、SFみたいな話になりましたね」と、寺岡さんが驚いた今回の放送。詳細は、ぜひYouTubeでお聞きください。
※今回のニュースをはじめとした窪田さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
11日は、Siemens K.K.代表の藤田研一さんが出演予定です。こちらも合わせてお楽しみください。

【番組概要】
放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください。
(構成:菅原聖司)