【SPEEDA総研】人気居酒屋チェーンの未来~死角はあるか
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最近急速に店舗を拡大している居酒屋チェーンですが、中でも鳥貴族とヨシックスの勢いはすさまじい。
あれだけ店舗数が増えているのに既存店売上も好調とは驚異的です。
ただ、最近徐々に景気の雲行きが怪しくなってきています。ファストフードやファミレスでもメニュー価格が下がってきている様子。居酒屋業界でも、店・消費者ともに「低価格」の部分だけに目がいくようになると厳しいと思います。
では対策は、というと難しいですが、客数を増やすには観光客など新たな需要の掘り起こしも必要になってくるでしょう。消費動向をみたところ、ASEANからの旅行者は富裕層が多いのか、欧米よりも高い飲食費を支払っているのが意外でした。外食のご支援先では、今年に入り完全に潮目が変わったという話がよく出ます。客単価が下がっている訳ではないですが、低単価業態が各社好調。また、お客様に「失敗したくない」思いがある為、地域一番店やWEB集客に力を入れている店は同時に好調です。
鳥貴族が上手いのは、ワタミのブラック企業問題がクローズアップされるタイミングで、新卒採用のホームページに
「日本一の、ホワイト企業をつくろう。」
というフレーズを掲げており、一貫して従業員の負担を減らすことを重視しているという企業イメージをうまくアピールしていることです。
そして、値段の変動幅が比較的少ない鶏肉を使った比較的簡単なメニューに絞りこんでいるのも、採算性の向上工夫として目を引きます。
更に、ワタミのように全国に満遍なく出店するのではなく、都市圏に集中して出店することで物流コストを圧縮し、あえて地下などの家賃が安いところに出店して地代を抑えるなど、コスト削減戦略も非常に多彩です。
すなわち、
①無理なく人件費・物流費・地代など、コストを削減している。
②鶏肉に絞り込むことで、さらにコストを削減しつつ高品質を実現している。
という2つの強みによって、鳥貴族は「ものすごく安い、その割に美味しい」居酒屋となっているのです。