【柯隆】中国は政治の秋。経済改革は進まない

2016/9/5

世界中がデフレの理由

世界で経済危機が起きる頻度は高まっているようだ。2007年、サブプライムローン危機が勃発したが、2年後にリーマンショックによって世界経済は再び危機的な状況に陥った。
米連邦準備制度理事会(FRB)や日本銀行など主要国の中央銀行は経済危機を克服するために、かつてないほどの金融緩和を実施した。具体的には超低金利政策の実施に加え、想像を超える量的緩和が行われた。
その結果、主要国の景気はとりあえず安定するようになった。ニューヨークダウ平均株価指数は回復に転じ、史上最高値を記録している。アベノミクスによって円安が進み、日経平均も一時に比べ、倍以上上昇した。
しかし、これで世界経済が危機から脱出したと判断するのは時期尚早である。原油価格が低水準で推移し、オイルマネーが引いてしまったため、世界の景気が押し下げられている。資源価格の低下の背景に、中国の景気減速があると指摘されている。