インド仏徒1億人の頂点に立つ男のリーダー論(後編)
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この記事を書いたライターの川内です。
取材の際、佐々井さんは「インドはご飯も不味いし、大嫌い。使命があるからこそ、暑い時には気温が50度を超えるようなところで50年も頑張ってこれた」と仰っていました。
大嫌いなインドで3度も暗殺未遂に遭いながら、それでも最前線に立って信徒を鼓舞し、使命を果たそうとするその姿に惹かれるのはインド人だけではありません。
文字数の関係で原稿に盛り込むことはできませんでしたが、佐々井さんの活動を厚く支援する日本人も大勢います。
佐々井さんはインドでの裁判闘争、仏教遺跡の発掘のほかに、お寺、病院、養老院などを建設、経営していますが、日本人支援者からの寄進もその資金に充てられています。なかには、1億円を超える寄進をされた日本人女性もいるそうで、とても感謝されていました。
それでも、いまだにお寺の質素な部屋に住み続け、朝は6時から勤行し、信徒の結婚式に導師として呼ばれれば300キロの距離を車で往復する(さすがに運転はしていませんが)。
お話を聞いて、真のリーダーとは何かを考えさせられました。
「日本にきたら、みんな美味しいものばかり食べさせよるんだ。だからインドに帰って、またチャパティとかあの粘り気のないご飯を食べるのかと思うと、身が細る思いだ。嫌だなあ」と子どものような表情で仰っていたのが印象的でした。以前、この方のヒンディー語での説法を、Youtubeかなんかで見たけど、凄い迫力だった!
この「生命力」というか「エネルギー」が、最近の日本人は弱くなっている気がするので、常に上を向いて、人生楽しんでいきましょう!
……… 最後に、佐々井の眼にいまの日本がどう映っているのかを尋ねた。
「一言でいえば、亡国の相が出ている。進むべき道を見失って、確実に生きる力が弱くなっている。インドではいま、新しいインドをつくり上げていこうという機運が高まって、小さな子どもまで、皆が一生懸命勉強して、目的を持って生きている。日本民族は行く当てのないまま動いているけど、目的を持たないとエネルギーは湧かないですよ」 ………「いまの日本に真のリーダーはいない。昨年、安倍晋三の顔を見て、なんだこの若造はと思ったね。子どもみたいな顔をしとるじゃないか。岸信介の血を引くというんだけど、あれは単なるお坊ちゃんだ。今年は少し成長したように見えるけど、嫌らしい成長の仕方をしているな」