ゴーブの謀略:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(中編)
2016/07/08, NewsPicks編集部
英国首相の座を巡る、汚れた戦い
ゴブの謀略:ボリス・ジョンソン敗戦ドキュメント(中編)
2016/7/8
ブレグジットの旗手として、離脱派を勝利に導いた、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長。離脱派の英雄は、なぜ一転、首相候補から引きずり降ろされたのか。その内幕を、英テレグラフ紙のチーフレポーターであるGordon Rayner氏が描く(全3回)。
前編:これぞ権謀術数
中編:ゴーブの謀略
後編:まるで子どものケンカ
「うっかり」送信ミスしたメール
6月26日の昼食時に、離脱派の陣営がオックスフォードシャーにあるジョンソンの自宅に集まった際も、ゴーブが何かたくらんでいるのではないかという疑問が募った。
ITVニュースのテレビカメラがジョンソン宅の前に現れ、到着する人々を撮影していたのだが、記者の1人がバインから情報をもらったと口を滑らせたのだ。
それでも、ゴーブはすべて順調だと言い続けた。彼はジョンソンに、自分には首相になるために必要な資源も資質もないと言った。これで問題はないと思えた。
しかし、翌27日、離脱派の亀裂があらためて浮き彫りになった。ジョンソンがデイリー・テレグラフ紙に寄稿したコラムで、イギリスは今後もEUの単一市場へのアクセスを維持するだろうと主張したのだ。
離脱を推進してきた人々は、ジョンソンが弱腰になったのではないかと思い始めた。ジョンソンに近い関係者は、コラムの原稿はゴーブも一緒に推敲したと語る。ゴーブがジョンソンを陥れたのだろうか。
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コメント
注目のコメント
これを見ると、ゴーブ氏は自身が首相になることを狙っていた訳ではなく、レッドソムエネルギー相のような、より勝てる候補を立てるため、保守党内で支持の広がらないジョンソン氏を引き摺り下ろす必要があった。
そして、そのために情報のリークなどで流れをかえ、トドメとして自らが出馬することで陰謀を完成させた、という様にも取れます。
イギリスらしい権謀術数の世界。
まさに、リアルハウスオブカード(アメリカのテレビドラマですが、原作はイギリスが舞台)ですね。私の場合は、メールを「うっかり」誤送信することは数年に一度あるかないかですが、その「うっかり」が、この重要なメールでたまたま起きたんですね。そして誤送信の相手が友人であれば流出はしないでしょうから、たまたま親しくない一般人に送ってしまったと。
「うっかり」は怖いですね。「何も起こらない数十年もあれば、数週間で数十年分の出来事が起きることもある」。まさにその通り。そして、どこの家も奥さんがお尻を叩かないと旦那さんは本気にならないということか。