「ソニーの使命は大賀時代で終わっていた」
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今日も示唆に富む内容でした。「事業には寿命がある」というご指摘はその通りだなと思いますし、「家族がみんな『大好きなお父さん、いつまでも元気でいてね』という程度の希望と同じ」という例えもその通りだなと。
一方でどれだけ困難であったとしても、上場企業である以上は永続に向けて走り続けなければならないとも思います。本稿でもGEについて触れられていますが、まさにGEが「124歳のスタートアップ」として事業の大転換を目指すような勝負を続けないと。それは昨日の記事で創業時の人材に必要な資質として「度胸9割」を挙げていらした点とも通じる話なのかと思います。
なぜ古くて儲からなくなった事業を入れ替えることができなくなるのかと言えば、これは入れ替えに向けた道筋が見えないということ以上に、内部からの反発が大きいという点が、より強く影響しているのだと思います。奇しくも本連載のタイトルは「オレの愛したソニー」ですが、事業に密結合した「愛」は、会社が変わるうえでの足枷にもなります。端的に言えば、意思決定者は嫌われたくないからそうした「愛」を振り切ってまで事業転換を断行できない。外したときの責任を負いたくない。
大きな企業であればそのプレッシャーも並大抵ではないでしょうが、緩やかに衰退していくことに感づきつつも大なたを振るわないことは、「不作為の罪」ではないでしょうか。この点で「度胸9割」のような蛮勇がより重要なのだろうと思う次第です。
http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-03-17/how-ge-exorcised-the-ghost-of-jack-welch-to-become-a-124-year-old-startupタイムリーにダイヤモンドの今月の主筆がGE日本社長の安渕氏。ポートフォリオについての考え方が下記に出ているので、併せてご参照いただきたい。
今回の記事について、気持ちは分からなくもないが、一方で丸山氏はまさに大賀時代の首脳の一人。そこで「ソニーの使命」を終わらせないために、会社の体制を築くなり、その時点で分社化するなりすることも役割の一つだったのではないだろうか?そのタイミングでできなかったことを批判するつもりはないが、次への道を作れなかったという事実は否定できないと思う。特に、会社や事業に寿命があるのはそうだが、一方で法人格は人間と違って寿命がない(ゴーイングコンサーン)。そのうえで、持続するためにどうすればいいかというのが経営の大きな仕事であり、そこをソニーがダメになった根拠と持ってくるのは、そもそも経営として仕事をしていないという証左以外の何物でもないと思う(それもまた、一片の真実かもしれないが)。
にしても、プロダクトドリブンな会社で一つの商品への依存が大きいという点ではAppleも同様。とはいえ、これだけ戦線が大きいなかで、一つのプロダクトに賭けるという意思決定も現実論としてはなかなか難しいとも思う。本当にソニーの経営に関して、多くの方が意見があるとは思うが、具体論としてどうすればいいというのは、会社のアイデンティティと併せると、一層難しい。
https://newspicks.com/news/1541085?ref=user_100438
<追記>ポートフォリオの大変化という観点で、Nokiaも参考になる。特にスマホ前は携帯世界トップ、そしてそれをMSに売却した。下記2記事がオススメ。
https://newspicks.com/news/1129802?ref=user_100438
https://newspicks.com/news/954322?ref=user_100438
<追記終>総合力じゃなくて、一発当て続けることで大きくなったソニー。SCEがご本社を乗っ取るようなことがあれば、輝きも続いていたかもしれません。AIBOをやめちゃった時に、あ〜ダメだ〜ってぼくも思いました。
清武英利「切り捨てSONY」の感想文にも書きましたが、
http://ichiyanakamura.blogspot.jp/2015/10/sony.html
大賀さんは面白かった。ああいう人の存在は奇跡だったんでしょう。