セブン会長、引退会見で見せたお家騒動の恥部
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最近立て続けに起こったセブンとクックパッドのケースは、いずれも企業統治について極めて示唆を与える題材になっている。ビジネススクールで必須のケースになるだろう...
さて、色々と論点や雑感はあるが、取り敢えず以下。
- 鈴木会長は井阪社長からは改革案が出てこず物足りないと言っているが、一方で経営方針は自分が決めてきたとも言っていて、矛盾を感じる。CEOとCOOの役割で言うと、CEOの方針に沿って着実に業務遂行するのがCOOの役割とも思えるし、何を社長に期待されていたのだろうか。井阪社長がCEOにもなったとして一定期間にわたり全権を委譲され、それでも新しいものがないというなら分かるが...
- 報酬指名委員会が、「世間の常識が許さない」からの一点張りで人事案に反対というコメントだが、これは本当にそうなのかなあと。社外役員がそんなロジックだけで反対するとは思えず。
- 日本を代表する企業でこういうのは気持ち悪いというコメントが結構あり、確かにそうなのだが、所詮は企業も人の集まりであり、夫々の個人の行動性質や感情など考えれば、何かクリーンでドライで透明なロジックだけで経営が行われている考える方が過剰な期待とも思える。大企業、上場企業でもトンデモな会社なんて腐るほどあるわけで。
- そういう外部株主などには分からないグジュグジュしたもので経営が一方的に行われないように株主利益の保護を目指すのが、商法やそれが規定する企業統治の仕組みであり、今回結果としては、それが機能したとも言えるのではないかとも思う。
- 番外コメントとしては、日本を代表する企業で社長になり60近くになっても住宅ローンが終わらないのかという、、、まあ買った時期や家の大きさにも依るのでしょうが...
注目のコメント
これは登録しないと先を読めないけど、ビジネスマンなら全文読むべき内容。
手続き論としてのガバナンスは最高に理解されておられるけれども、全般的な印象としては非常にこの稀代の経営者においてすら、話している内容が子供じみていて、その取り巻きの古参の人達も、自分たちが何を言っているのかよく理解できないで、「正当性」を語っている。
この70代、80代の「大人」たちの話がびっくりするほど子供っぽく、クックパッドとそれほど変わらない。いや、表面的な内容ではクックパッドよりもっと酷いありさまだ。
この記者会見の内容は、伝えた方が世間様の理解を得られると思ったのだろうけれども、あまりにステロタイプの言い方で使いたくはないが、老害という一言に尽きる。
この中の白眉は、
後藤顧問が井阪社長のお父様のところに行って、説得を試みるところ。
上場企業の社長の人事にそのお父様のところに行って、道理を含むところがまずすごい。そりゃ、井阪社長も怒るだろう。それで怒って電話をしたら、後藤顧問は、
「大変けんか腰の電話でしたから驚きました。今にして思えば、「お前酔ってるんじゃないよな」とひと言言えばよかった」
うーん、これはすごい。お前酔っているのかじゃないだろう。酔ってないから怒っているのだろう。
そして、井阪社長が
「自分ももう60歳間近で、自分のことは自分で決めます。父親は既にもうろくしております」
と言ったそうだ。日本にとって経営者のとしての「成人」は60歳なのか。おそらく全文英訳されてしまうと思うが、また笑われてしまう・・・
実はこのようなやりとりって地方の商工会議所などで頻繁に聞いてうんざりして、地方ってなかなかしんどいなあと思っていたけど、まさか東京のど真ん中でこのようなやりとりをしていたというのが残念。内容もさることながら、この話の登場人物の平均年齢は一体何歳なんでしょうか。しまいには社長の父親まで登場するし。「息子がまずいことしましたか?」って、高校生じゃないんだから。
ほとんど筒井康隆のドタバタ小説の世界。要するにトップと2番手は啀み合い潰し合うというのの典型的な話のように見える。トップが見るほど二番手は悪くないことが多い。
しかし、これは酷い。上場会社の社長と顧問が60近い人のお父さんを訪ねてたり、90歳と80歳の人の部屋を行ったり来たりしてることを自慢したり…なんというか…本当はそういう情実人事があったとしても、それを公のコミュニケーションで言ってはいけないと思うんですよね。