ヤフオク担当役員「CtoC市場はやがて企業に吸収される」

2016/3/22
後編ではヤフオク!の責任者を務める、梅村雄士ヤフー執行役員に、「ガリバー」ならではの戦い方を聞く。

決済無料化の狙いとは

前回の記事でメルカリの山田進太郎社長が言及した通り、日本のCtoC市場で不動の地位を確立しているのがネットオークションサイトのヤフオク!だ。国内のネットオークション取扱高、約9800億円のうち、実に84%にあたる約8180億円(2014年度)を占めている。
2016年2月の第3四半期決算でも、取扱高は前年比7%増で推移。一方、「買い手の数は横ばい」(一条裕仁ヤフオク!ユニットマネージャー)にとどまった。
ヤフオク!の責任者を務めるヤフーの梅村雄士執行役員は「フリマアプリなどの選択肢が増え、CtoCのスタンダードが変わった。われわれも、時代に合わせて変化していかなければ伸び悩む」と話す。
その一環として開始したのが「Yahoo!かんたん決済」の決済手数料無料化だ。
これは、クレジットカードや銀行口座での決済をヤフーが代行するサービスであり、出品者と落札者が直接個人情報をやりとりする必要がなくなる。手数料もこれまでの数百円から、一気に無料に引き下げた。
この戦略の狙いは、「カード決済が当たり前のプラットフォーム」をつくることだ。
従来のヤフオク!では、手数料のかからない銀行振込が、決済の7割程度を占めていた。しかし、「今や、銀行振込をするのはヤフオク!か家賃ぐらい。それではまずい」(梅村氏)と考え、今回の判断に至ったという。
一方、出品者に課されるシステム手数料は、5.4%から8.64%に引き上げられた。